サンフレッチェ広島は16日、クラブの元GMで総監督などを務めた今西和男さんが広島市内の病院で死去したと発表した。85歳。

安芸高田市サッカー公園を訪れた今西さん(写真は2024年撮影)

 今西さんは1941年、広島生まれ。東洋工業(現マツダ)蹴球部に加入するとDFとして活躍した。1966年には日本代表としてアジア競技大会にも出場。現役引退後は指導者、GMとしてチームに携わり、のちに日本代表監督となるハンス・オフトを招聘するなどチーム強化に尽力した。現日本代表監督・森保一氏のほか、風間八宏、高木琢也らを獲得し、現在のJリーグを支える指導者たちを輩出したことでも知られている。

 サンフレッチェ広島発足後は、コーチング・スカウティングなどで手腕を発揮。『一流のサッカー選手である前に、一流の社会人であれ』の言葉は、いまもなおサンフレッチェ広島というクラブの哲学として息づいている。

 株式会社サンフレッチェ広島の久保允誉代表取締役会長はクラブを通じてコメントを発表。

「サンフレッチェ広島の礎を築かれた初代総監督、今西和男氏の悲報に接し、深い悲しみと喪失感に堪えません。クラブを代表し、心より哀悼の意を表します。

 今西さんを一言で表すならば、まさに『教育者』でした。Jリーグ参入という激動の時代にあって、「広島という地方都市は、育成型のクラブを目指していかなければならない」という強い信念のもと、サンフレッチェ広島の誕生に多大なるご尽力をいただきました。才能を見出し、愛情を持って育て上げる。『サッカー選手である前に、良き社会人であれ』と説かれたその揺るぎない情熱が、『日本一の育成型クラブ』というサンフレッチェ広島のDNAとして深く刻まれています。

 また、長年のクラブの悲願であったサッカースタジアム建設につきましても、今西さんとはクラブの黎明期より誘致に向けて共に走り続けてまいりました。エディオンピースウイング広島という新たな舞台で躍動する選手たちの姿を、これからも末永く見守っていただきたかったと誠に残念でなりません。

 私がクラブ経営を引き継いでからは、現場の強化は今西さんに託し、それぞれの持ち場で共に歩んでまいりました。苦しいことも多くありましたが、私にとっては本当に楽しい時間でした。

 これまでのサンフレッチェ広島、そして日本サッカー界への計り知れないご功労に深く感謝申し上げますとともに、安らかにお休みになられますよう、心よりお祈り申し上げます」