「3年で一区切り」と言われることの多い育成契約。支配下を勝ち取れずプロの世界を後にする選手もいるなかで、再契約という形でチャンスをつかむ者もいる。広島出身のカープ名原典彦もそのひとりだ。育成再契約として勝負のシーズンに挑んでいる名原が、ここまで感じている手応えと課題とは。

支配下登録に向けた勝負のシーズンを迎えている名原典彦

 瀬戸内高から青森大を経て、2022年育成ドラフト1位でカープに入団。広島市佐伯区出身の名原典彦にとって、地元球団はやはり特別な存在だ。高校時代はマツダ スタジアムに足を運んで観戦していた。入団直後のルーキーインタビューでは「実際に見ていた球団に入れるということは、それはもう、うれしかったです」と話していたが、プロの世界は過酷でもあった。

 入団3年目の2025年オフには戦力外通告を受け、育成として再契約を結んだ。憧れのユニホームに袖を通して4年目のシーズン、名原は打撃において今までにない手応えを感じているという。

「いい感じです。変化球をしっかり待って逆方向に打つこともできていますし、まっすぐに振り負けない打撃もできていると思います。課題としては『野球脳』というか、試合の中で状況整理をしっかりしながらプレーすることができれば、なお良いかなと思います」

 足には自信があると話してきた通り、二軍で6盗塁(4月22日現在)はチームトップの数字だ。今シーズンは俊足という武器に加え、打撃でも結果を出すと意気込む。大野練習場では全体練習と夕食を終えた後も、ひとりで黙々とマシン打撃に取り組んできた。

「今年にかける気持ちは、誰よりも強いと思っています。練習量だけは負けちゃいけないと思いますし、『何かつかめれば良いな』と……。その分、おのずとバットを振る時間も長くなっているのかもしれません」

 背番号が三桁である限り、一軍試合に出場することはできない。その悔しさを3年間味わってきたからこそ、昇格にかける思いは誰よりも強い。

「まずは二軍でしっかり数字を残したいです。自分の武器をアピールしながら、成績も残していけたらと思っています」

 黙々と積み重ねた努力が開花する日も、きっと遠くはないはずだ。

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