支配下選手として初のシーズンを過ごすプロ2年目・大盛穂の勢いが止まらない。

 育成選手として昨季カープに入団し、二軍では俊足を武器にしたプレースタイルでチームトップの出場数を記録。シーズン後には晴れて支配下登録を勝ち取った。

 今季も昨季同様、二軍で開幕から試合出場を続け、課題の打撃で結果を残し続けた。打率.320の好成績をマークすると7月24日に一軍に初昇格。しばらくは代打、代走、試合途中での守備という起用が続いたが、少ない打席数の中でコンスタントに安打を記録し首脳陣からの信頼を積み重ねていくと、9月3日の中日戦(ナゴヤドーム)で1番センターとしてプロ初スタメン出場を果たすこととなった。

三拍子揃った選手として高いポテンシャルを秘める大盛穂選手。

 二度目の先発出場となった9月9日のヤクルト戦(マツダスタジアム)では初の猛打賞を記録。さらに9月13日の阪神戦(甲子園)では今季2度目となるマルチ安打(2安打2打点)と共に、プロ初となる盗塁をマーク。自慢の足で塁上を賑わせ、存在感を示した。
 
 以降も主に1番でのスタメン出場が続き、9月13日から22日までの計8試合で無安打に終わったのはわずかに1試合のみ。それどころか半数の4試合でマルチ安打を記録と、バットで結果を残している。

「首脳陣の方から『こいつはやることをしっかりやるな』という印象を持ってもらえるようなプレーをどんどん見せていきたいと思っています」

 9月19日のヤクルト戦(神宮球場)の延長10回には2死二、三塁というチャンスで勝ち越しタイムリーとなる内野安打を決め、今季初となる延長戦での勝利をもたらし、プロ初のヒーローインタビューも経験した。西川龍馬の戦線離脱でセンターのポジションが空いたチャンスを見逃さず、走攻守の全てにおいて猛アピールを続けている。

「今シーズン最後までずっと一軍にいてプレーしたいです。あとはスタメンで出られるチャンスがどれだけあるか分からないですけど、とにかく1試合でも多くスタメンで試合に出られるように必死でプレーしていきたいです」

 カープの育成出身選手で安打を記録したのは中谷翼以来10年ぶり。9月24日時点で22安打、打率3割越えという堂々の成績を残している。不振が続くチーム状態の中で、プロ2年目の若鯉の活躍はまさに希望の光。激戦区の外野のポジションで、大盛が着実に自分の居場所を築きつつある。