育成出身選手が一軍で躍動し、新たなヒーローの台頭に注目が集まる2026年の新井カープ。その裏側では、灼熱の由宇練習場を舞台に一軍昇格に向けた激しい競争が繰り広げられている。

 結果を出せば、道は開けるー。若手、中堅、ベテランがそれぞれの思いを胸に鍛錬の日々を過ごしている。ここでは、故障に苦しんだ昨シーズンを乗り越え、一軍定着を目指す中村貴浩の今に迫った。(取材は2026年6月上旬)

今季二軍で55試合に出場している中村貴浩

◆まずはしっかりと、自分の打撃をすること

 育成1年目の2023年に支配下登録を勝ち取り、プロ初出場も果たした中村貴浩。デビューは支配下登録から2日後の大抜擢。ユニホームの準備が間に合わず、三桁の背番号のまま打席に立った姿を覚えているファンも多いだろう。現在一軍で活躍する名原典彦と重なる部分もある。

 しかし、昨季は故障の影響もあり一軍出場はなし。それでも二軍ではコンスタントに出場を続けており、今季は2024年以来となる一軍の舞台を目指している。

「今はなかなかうまくいっていないです。打撃に無駄が多いので、迎(祐一郎)コーチや東出(輝裕)コーチにアドバイスをいただきながら、無駄をなくしてシンプルに打つことを意識しています」

 一軍への思いは強い。ただ、そのためにはまず二軍で結果を積み重ねる必要があることも理解している。

 「まずはしっかり自分の打撃をすること。そうすれば、周りの方からも『こいつ、良い感じだな』と思っていただけると思うので、まずはそこを目指していきます」

 これまで二軍でともに汗を流してきた仲間たちが、一軍で躍動する姿も目にしてきた。

 「もちろん刺激にはなります。ただ、まずは自分のことをしっかりやる。今はそれを大切にしています」

 焦りはない。自分の課題と向き合いながら、中村は再び一軍のチャンスを待っている。

■中村貴浩(なかむら・たかひろ)
2000年4月9日生/福岡県出身
177cm/87kg、右投左打
九州国際大付高ー九州産業大ー広島 (2022年育成ドラフト2位)

カープをより深く、より熱く。日本唯一の広島東洋カープ専門誌!
2026年7月号はカープグッズ特集!『ぷっくりシール』付録つき