春先から右の代打候補筆頭として、正隨優弥と共に名前を挙げられていた髙橋大樹。今季はプロ8年目にして初の開幕一軍の座を手に入れたが、現在は二軍での再調整を余儀なくされている。

弱点を克服し、再び一軍昇格を目指す髙橋大樹選手。

 昨季はプロ初打点、初本塁打を記録するなど、一軍の舞台で確かな爪痕を残した。若鯉の台頭が目立つ外野枠の中で、かつてのドラ1戦士が持ち前のパワーで前途ある未来を切り開く。

◆二軍ではチーム2位の5本塁打を記録

 高卒8年目。鈴木誠也と同期入団の髙橋大樹にとって、今季は是が非でも結果を出したい勝負の年だ。

 開幕までの滑り出しはこれまでにない程に順調だった。2月の春季キャンプでは持ち前の長打力を大いに発揮。新型コロナウイルスの影響で開幕が延期となる中でも練習試合で持ち前の打力でアピールを続け、8年目にして初の開幕一軍をつかみとった。

 今季初の出番となった6月20日のDeNA戦でヒットを記録したが、その後結果を残せずに7月23日に一軍登録抹消となった。二軍で再び自らの打撃を取り戻そうとする髙橋について、東出輝裕二軍打撃コーチは分析する。

「しっかりと軸足に体重を乗せるまでは良いんだけど、そこから頭が突っ込んでしまう。そこが髙橋の最大の課題なんです」

 二軍ではチーム2位の5本塁打を記録するが一軍で安定した成績を残すためにはさらなるレベルアップが必要だ。

「インコースでも、アウトコースでも同じ打ち方になってしまっているんですね。だから外の打球は当てるだけになってしまっています」(東出コーチ)

 同じ右打ちの外野手・正隨優弥が一軍デビューを果たすなど、髙橋を取り巻く状況は年々厳しくなっている。

「野間、宇草、正隨がいて本人もきっと焦る部分はあると思います。でもそんな中でも二軍では当たり前に結果を出せるレベルになってほしいですね」(東出コーチ)

 あくまでも目指すは一軍の舞台。崖っぷちに追い込まれた背番号50の奮起に期待がかかる。