『代走のみ』でのシーズン盗塁記録『25』。1979年に藤瀬史朗(近鉄)が打ち立てたこの記録に迫る勢いを見せているのが、2025年の現役ドラフトでカープに入団した辰見鴻之介だ。今季はここまで26盗塁に成功(9月8日時点)し、9月3日の中日戦では代走で25個目の盗塁を決めて、プロ野球記録に並んだ。そこで今回は、カープの『盗塁数』にまつわる懐かしいエピソードを振り返ってみたい。

育成入団、支配下登録、再び育成契約、そして現役ドラフト……波乱のプロ人生を歩んできた辰見鴻之介

 カープがAクラス入りした過去の成績を見ると、25回のAクラス入りのうち、チーム盗塁数がリーグ1位のシーズンは13回。1978年、1981年、1990年を除くシーズンは、全て2位以上の盗塁数を記録している。

 古葉竹識監督時代は、髙橋慶彦が3回(1979年、1980年、1985年)盗塁王に輝くなど、カープ機動力野球の象徴として活躍した。

 1990年代にはいると、1990年、1991年、1994年に野村謙二郎が三度の盗塁王に輝き、1995年からは3シーズン連続で緒方孝市が盗塁王に。1998年以降は、2010年の梵英心(現・阪神二軍打撃コーチ)、2013年の丸佳浩(現・巨人)、2017年の田中広輔がそれぞれその自慢の脚で盗塁王のタイトルをつかんだ。

 機動力野球は盗塁だけを意味するものではなく、盗塁数が勝敗に直結するものでもない。あくまでカープ攻撃の『ひとつの武器』として使うに過ぎない。ただ、その武器の威力が増せば増すほど、相手にとって脅威になることは間違いない。

 現在のカープには辰見鴻之介を筆頭に俊足を武器とする選手は多い。今後、足を使った攻撃にも注目したいところだ。

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