カープは11月1日、田中広輔氏が来季から内野守備・走塁コーチに就任することを発表した。一軍、二軍の担当は未定。2014年から2025年までカープ一筋でプレーし、2016年からのリーグ3連覇に貢献した田中氏。現役引退後、1年間チームを外から見つめてきた男が、今度は指導者として再びチームに加わる。
就任について田中氏は「身が引き締まる思いと言いますか、すごく責任を感じております」と率直な心境を語った。球団から打診を受けたのは1〜2週間ほど前。「来シーズンよろしくな」と声をかけられたという。現役引退時にもコーチ就任の話を受けていたことを明かし、「今年はその話も頭の片隅に置きながら1年間過ごしていたので、連絡があればしっかりと受けようという思いでいました」と、今回の決断に至った経緯を振り返った。
1年間、外からカープを見てきた中で、チームの現状や課題については慎重な姿勢を示す。「外で見ているのと実際、中に入ってプレーを見るのはまた別物だと思うので、しっかりと選手とコミュニケーションを取りながらやっていけたらなと思っています」と、まずは選手たちと向き合うことを大切にする考えだ。
指導にあたっては、選手それぞれが持つ能力を最大限に引き出すことを重視する。「すごく能力の高い選手がたくさんいると思いますし、まずはその自分の能力をしっかりと活かしてあげられるような、そういった指導を心がけて、選手一人ひとりとコミュニケーションを取りながらやっていけたらなと思います」と話した。
若い選手への指導についても、焦らず一歩ずつ成長を促していく。「いきなりジャンプアップはできないと思うので、地道にコツコツと、しかし時間は限られているので、そういった中で何ができるかを一緒に考えながら、日々過ごしたいなと思っています」と、選手とともに考えながら成長を支えていく姿勢を示した。
また、今秋のドラフトで入団する新戦力に対しては、まず持ち味を発揮することを期待。その上で、自身の現役時代の経験を活かしたサポートを誓う。「私は現役中たくさんいろんな失敗をしてきたので、そういった中から困った時に、しっかりとした答えを出せるような準備をしたいなと思っています」と、成功だけでなく失敗から得た学びも伝えていく考えだ。
リーグ3連覇を経験した田中氏だが、その成功体験をそのまま現在のチームに当てはめるつもりはない。「よく3連覇したと言いますけど、それは過去のことであって、今このチームで勝たなきゃいけないことが課題」と強調。自身にとっては、3連覇の成功体験だけでなく、現役時代に味わった失敗も大きな財産になっているという。「そういったことを伝えていけたら良いなと思います」と、経験を次の世代へつなぐ決意を口にした。
守備・走塁の指導においては、失敗と向き合う姿勢、そして日々の練習への取り組みを大切にする。「失敗が付き物のスポーツなので、失敗の内容であったり、失敗した後にしっかり練習をして、自分のプレーに責任を持ってほしいなと。そのために必死になって練習してほしいですし、僕も力になりたいなと思っています」と語った。
現役時代に培った経験と、1年間チームを外から見てきた視点。田中氏が内野守備・走塁コーチとして、選手たちにどのような変化をもたらすのか注目される。
◆田中広輔(たなか こうすけ)
1989年7月3日生、神奈川県出身。東海大相模高-東海大-JR東日本を経て、2013年ドラフト3位でカープに入団。高い出塁能力と堅実な守備でチームを支え、「1番・ショート」として2016年からの3連覇に貢献。2017年に盗塁王、最高出塁率、2018年にゴールデン・グラブ賞を受賞。3年連続フルイニング出場も果たした。2025年限りで現役引退。
田中広輔氏「田中広輔の選球眼」も連載中!
カープをより深く、より熱く。日本唯一の広島東洋カープ専門誌!
2026年10月号は、今季支配下登録を勝ち取り『気合と根性』が代名詞となった名原典彦選手が表紙に登場!
“未来を担う若手選手”にフォーカスしお届けします!


