高卒1年目から一軍昇格を果たすなど、入団当初から大きな期待をかけられていた坂倉将吾。ただ二軍で毎年のように好成績を残しながら、一軍ではなかなか自身の殻を破れずにいた。

今季は一軍でもヒットを積み重ねている坂倉将吾選手。

 逆襲を誓う今季は捕手一本で勝負することを公言し、春先のキャンプから攻守両面で猛アピール。するとプロ4年目にして本来の能力が開花し始め、6月25日の巨人戦ではプロ初のスタメンマスクの機会を得て今季初安打を放った。

 7月11日の中日戦では、5打数4安打5打点の大暴れ。もちろん打撃だけではなく、守備の面でも8月2日の巨人戦では遠藤淳志をプロ初完投勝利に導く好リードを見せた。

「完投というのは1試合の中で1人の先発ピッチャーを最後まで投げ終えさせるという、難しさもあると思います。そう考えると、あの1試合というのは、すごく自信になった試合でした」

 8月14日(対阪神)には新人王も視野に入れる森下暢仁のプロ初完封をお膳立て。改善の余地はあるものの、リード面でも成長の跡を見せている。

「森下さんとバッテリーを組んで完封できた試合は、自分にとってすごく大きい試合になったと思っているので印象深いですね。やっぱり2人ともすごく良いピッチャーですし、試合中にベンチで話し合いを重ねていろんなことを擦り合わせながら9回までできたというのは、すごく良かったと思います」

 打撃の面でも好調を維持し、規定打席未満ながらも高打率をマーク。昨季の悔しさを晴らすかのような猛アピールで、その存在感は日毎に増すばかりだ。

「今シーズンの残り試合も少なくなってきますけど、まずはケガをすることなく、与えられたところでしっかり仕事ができるように、準備だけはしっかりしてやっていきたいと思います」

 プロ4年目を迎えた今季、攻守において非凡な能力を発揮しつつある。将来の正捕手と期待され続けてきた坂倉が今、飛躍の時を迎えようとしている。