大盛穂が飛躍のシーズンを過ごしている。7月24日の一軍公式戦初出場(対DeNA/横浜スタジアム)から2カ月あまり。チーム状態は厳しいものがあるが、新戦力の台頭はカープにとって明るい話題の一つである。

守備練習で軽快な動きを見せる大盛穂選手。コンスタントに結果を積み重ね、9月は大半の試合でスタメン出場を果たした。

 初出場を果たした前述のDeNA戦では、緊張のあまり自分のバッティングができなかった。それでも2度目の打席となった26日のDeNA8回戦でプロ初安打をマークすると、そこからコンスタントに安打を量産。二軍で好調をキープしていた若鯉が、一軍の舞台でも堂々の活躍を見せている。

「(プロ初打席は)本当にバッターボックスに立っている自分の足が浮いているかのような気持ちでしたし、めちゃくちゃ緊張していました(苦笑)。バッティングで手応えを感じた部分は、代打で出させていただく中で、一球で仕留めることができる打席も多くなってきているという実感はありますね」

 もちろん手応えだけではなく、本人の中では課題も多く感じているという。プロ2年目の発展途上段階であることを考えれば、それも当然だ。

「ストレートが速い投手に対して、しっかりとコンタクトできないことがあるんです。ですので、これからはそういう球をしっかりと打ち返せるような打ち方を探していきたいと思っています。守備に関してもある程度自信があったんですけど、球場も変わって声も通りづらい環境の中で、コミュニケーションも連係も改めて難しさを痛感しました」

 鈴木誠也、西川龍馬(8月26日に一軍登録抹消)はもちろんのこと、外野は長野久義、野間峻祥ら主力選手がポジション争いを繰り広げている。そんな群雄割拠の状況でスタメンを勝ち取るには、走攻守全ての面でさらなるレベルアップが必要だ。

「今は、まずは当たり前のことをしっかり当たり前にすることを心がけています。首脳陣の方から『こいつはやることをしっかりとやるな』という印象を持ってもらえるようなプレーをどんどん見せることができたら良いなと思っています」

 規定打席未到達とはいえ、現在も3割を超える打率をキープ。昨季まで三桁の背番号を背負っていた男の猛アピールはまだまだ続く。