育成出身のプロ2年目・大盛穂が依然猛アピールを続けている。初の一軍昇格後、当初は代走や守備固めでの出番が中心だったが、9月に入るとスタメン起用の機会が急増。打撃では3割を超える打率をキープし続けるなど、バットでアピールしてきた。

10月3日のヤクルト戦でプロ初本塁打を放った大盛選手。

 打撃について「代打で出させていただく中で、一球で仕留めることができる打席も多くなってきている実感はあります」と口にするように、一軍昇格後は日に日に手応えを感じる打席を増やしてきた。野手の間を鋭く抜く安打に、俊足を生かした内野安打と持ち味を生かしながら結果を残してきた。

 そんな俊足巧打で打ち出し中の大盛が周囲も驚く一発を放ったのが10月3日のヤクルト戦(神宮)だった。この日の大盛は1番センターでスタメンもヤクルト先発のスアレスに対し、3打席目までは三打席連続三振。内容的に交代の可能性も考えられる中、7回表に第4打席を迎えると、1死一、二塁の場面で初球をフルスイング。打球はライトスタンドに飛び込むプロ初本塁打となった。さらにスタメン落ちとなっていた10月6日(マツダスタジアム)の阪神戦では、代打で本拠地初本塁打となる2号ソロを放ち、シュアな打撃に加えて長打でも猛アピールが続く。

「プロに入ってからは一番はバッティングが良くなったと思っています。体的にはオフシーズンに10キロ近く増えました」

 プロ一年目の昨季、ファームでは最多出場数ながら1本塁打。オフには筋力トレーニングに励み体重アップを図っていただけに、その地道な努力がプロ初本塁打へつながったとも考えられるだろう。

 現在一軍の外野ではルーキーの宇草孔基がプロ初安打をマークし、二軍では主力の西川龍馬も復帰へ向けて汗を流す。外野ポジション争いが激化する中で、大盛のアピールはまだまだ続いていく。