今季カープは苦戦を強いられる一方で、多くの若手選手が一軍デビューを果たしている。中でも育成出身選手の存在感も目立っており、プロ2年目・大盛穂はスタメン起用の機会を得るなど猛アピール。さらにプロ3年目の藤井黎來は9月28日に支配下登録を勝ち取り、10月8日にはプロ初登板無失点デビューを飾った。

二軍では林晃汰選手に次ぐ、6本塁打を記録している木下元秀選手。

 今季一軍デビューを果たした2人に続けとばかりに、現在二軍で支配下登録を目指し猛アピールを続ける育成選手が、プロ1年目の木下元秀だ。2019年ドラフト育成2巡目で指名を受けた木下は名門の敦賀気比高出身。東出輝裕コーチ、西川龍馬らの後輩にあたる。10月9日現在二軍では1年目ながら47試合に出場している。

「1年目なので、どんどん振っていこうと思っていますし、全打席ホームランを狙っているつもりで打席に立っています。それでも6本なので、まだまだだと思います」

 打率こそ.181だが、林晃汰(7本)に次ぐ6本塁打、チーム2位の21打点をマーク。高校時代からの持ち味である長打で連日アピールを続けている。10月4日のウエスタン・リーグ阪神戦からは、4試合連続で4番に抜擢されるなど、二軍首脳陣も期待をかけている。

 走攻守にまだまだ課題は多いと自己評価しながらも、「とにかく自分のスイングをすることですね。当たればホームランという感覚です」と、まずは振る力をつけることを念頭に置いて日々レベルアップを図る。

「自分は大盛さんの背番号を受け継いでいます。僕も早く支配下登録になって、この124番が出世番号になればうれしいです」

 “ホームランを打ちたい”というシンプルな目標を胸に、背番号124番の若武者は支配下登録を目指している。