10月に入り好投を続けているカープ九里亜蓮が、20日の阪神戦(甲子園)で先発。相手打者に的を絞らせない抜群の投球で、阪神から今季初勝利を挙げた。

113球の熱投で白星をあげた九里亜蓮選手。阪神から今季初勝利をマークした。

 序盤3イニングで4三振を奪う最高の立ち上がりを見せると、5回までノーヒットピッチングを継続。6回2死から近本にライト線に二塁打を打たれるも、8回まで1安打のみに抑えるほぼ完璧な投球を披露した。

 しかし、最終回でつまづいた。そのまま9回のマウンドに上がり、今季2度目の完封が期待された右腕だったが、9回1死から阪神打線の反撃で3連打を浴びて失点。8回1/3を投げ1失点と、先発投手としては文句のない内容ながら、最後はフランスアにバトンを渡し、無念の降板となった。

「常に最後まで投げたいという気持ちを持ってマウンドに上がっていますし、そこはずっと変わらない気持ちですね。完投への意識は常に高く持ってやっていきたいと思っています」

 最終回の降板で“満点投球”とはならなかったが、9月下旬からの投球はチーム屈指の安定感を誇る。前回登板の10月13日の巨人戦では開幕13連勝中だった菅野智之に投げ勝つなど、直近4試合では完封勝利を含め3連勝中。開幕当初こそ失点を重ねていたが、シーズン後半から調子を上げており、終盤戦を迎えてその存在感は登板ごとに増している。

 この日の勝利でプロ初の規定投球回クリアも見えてきた背番号12。大瀬良大地と野村祐輔を怪我で欠く先発ローテの中では最年長となったプロ7年目右腕。シーズン終了まで全力投球で駆け抜けていく。