ここ数試合、先発として抜群の安定感を誇るカープ九里亜蓮が、10月27日のヤクルト戦(マツダスタジアム)で8回途中まで無失点の好投を見せ、今季8勝目をマークした。

安定感抜群のピッチングで白星をあげた九里亜蓮投手。7回までに自己最多タイの10三振をマークした。

 初回、1死一、二塁のピンチを連続三振で切り抜けると、2回以降は直球と変化球を効果的に投げ分けるクレバーな投球でヤクルト打線を翻弄。7回までの6イニングで許した安打はエスコバーの内野安打のみ。気迫の投球でヤクルト打線を寄せ付けなかった。

 8回2死から満塁のピンチを招いたところで、セットアッパーの塹江敦哉に交代。前回登板に続き、イニング途中での交代となった点は悔やまれるが、7回2/3を投げて3安打無失点、自己最多タイの10奪三振、128球の力投だった。

「昨季までは悪いときに際どいコースを狙って、四球を出してしまった後に点を取られる形が目立っていたんですが、今シーズンはそういう状況になったときに『点をやらないように』という気持ちでマウンドに上がっていて、しっかりゾーンの中で勝負しながら投げられていると思います」

 直近5試合を振り返ると4勝をあげる大車輪の活躍。勝ち星もさることながら称賛すべきは失点の少なさ。5試合で失点はわずかに3(自責点2)と、抜群の安定感を誇る。そして、この日の勝利で規定投球回達成とともに、2ケタ勝利の可能性も見えてきた。

「常に最後までマウンドに立っていたい」

 開幕から一度も先発ローテを外れることなく投げ続けてきた今シーズン。残り登板でどんな投球をみせてくれるか、背番号12のピッチングから最後まで目が離せない。