10月30日から行われた中日との3連戦(ナゴヤドーム)では3連勝を飾り、引き分けを挟み5連勝をマークしたカープ。依然チームは5位のままだが、シーズン終盤に入りカープらしい野球を取り戻し、来季への希望を感じさせる戦いを続けている。

10月30日の中日戦。8回に堂林翔太選手が自己最多となる14号2ランを放ち、逆転勝利に貢献した。

 チームが好調を維持している要因の一つに、カープ打撃陣の好調ぶりが挙げられる。中日3連戦は特に打撃陣の粘りが目立った。

 10月30日は6回を終わり、2対3と1点のビハインド。しかし、7回以降の3イニングに11安打3本塁打5四死球を集中させ、一挙15点を奪う猛攻で逆転勝利を決めた。この試合まで中日は、6回終了時点でリードしているケースでは37連勝と、強力なリリーフ陣を武器に不敗神話を誇っていたが、その記録をストップさせた。

 また10月31日の2戦目も、試合終盤にカープ打線が爆発。中日1点リードで迎えた8回、會澤翼の逆転タイムリー、代打・松山竜平のタイムリー、長野久義の通算150号メモリアル弾などで一挙7点を奪取。2日続けて、中日自慢のリリーフ陣を攻略し、逆転勝利を飾った。そして森下暢仁の10勝目がかかった11月1日も、単打でつないでいく攻撃で3点を奪取。新人王を目指すドラ1右腕森下を援護した。

 この中日3連戦でカープが奪った得点の合計は29得点。そのうち、25得点を7回以降に奪い、終盤の底力をみせつけた。

「打席内ではあまり深く考え過ぎないようにしています。何番を打とうが、とにかく次につなごうと。その意識を持つようにしているくらいですね」

 30日の試合の8回、自己記録に並ぶ14号本塁打を放った堂林翔太が、以前そう語ったように、各打者が意識しているのは”後ろへつなごう”というシンプルな意識だろう。それはリーグ3連覇中のカープに根付いていた考えと一致する。

 カープに息づく“つなぐ意識”がもたらした中日3連戦の逆転劇。一つのアウトも無駄にしない、後ろへとつなぐ野球で、残り試合も貪欲に得点を奪っていく。