今季、先発としてチームを支えてきたカープ九里亜蓮が、11月3日の巨人戦(マツダスタジアム)で先発。勝ち星こそつかなかったが、9回2失点の力投を見せ、プロ7年目で初めて規定投球回を達成した。

プロ初の規定投球回を達成した九里亜蓮投手。惜しくも白星はつかなかったが、9回2失点の粘投を見せた。

 序盤3イニングは走者を出すも2つの併殺打を奪い無失点。しかし4回、安打と四球で迎えた1死一、二塁で、丸佳浩に先制タイムリーを打たれると、6回には四球をきっかけに作ったピンチで陽岱鋼にタイムリーを許してしまう。打線が巨人先発の戸郷翔征に抑えられるなか、中盤までに巨人に2点リードを許した。

 毎回のように走者を背負う苦しい展開となったが、持ち味である粘りの投球で7回以降は巨人打線に得点を許さず、味方の反撃を待った。そして8回、先頭の坂本勇人をライトフライに打ち取ったところで、今シーズンの規定投球回を達成。球数は6回終了時に100球を超えていたが、9回までマウンドを守り続けた。

 惜しくも勝ち星はつかなかったが、9回138球を投げて2失点。9回2死1一塁から飛び出した菊池涼介の同点アーチは、九里の“粘り”が呼び込んだといっても過言ではない。

「まだまだ実力としては劣る部分もあるかもしれないですが、後輩も増えてきているので、引っ張っていけるような存在になりたいと思っています」

 今季初の完封勝利を飾った9月28日以降、6試合に先発して4勝負けなし。49イニングを投げて失点はわずかに5(自責点4)。6試合連続でクオリティスタートを記録するなど、先発投手として申し分ない働きをみせている。

「一番はチームを勝ちに導けるような投球を続けていきたいと思っています」

 同期入団の大瀬良大地をはじめ先発陣の離脱が続いた今季のカープ先発陣。そんな状況下において、開幕から先発ローテーションを外れることなく投げ続けた功績は数字以上に大きい。先発投手の柱となった背番号12は、残り試合も全力でチームに貢献を続けていく。