カープの松山竜平が、11月5日の巨人戦(マツダスタジアム)で延長10回にタイムリーを放ち、チームは今季2度目のサヨナラ勝利。今季初の7連勝にベテランスラッガーが大いに貢献した。

11月5日の巨人戦で、カープ松山竜平選手がサヨナラタイムリーを放ち、チームを今季初の7連勝に導いた。

 ここ3試合で1安打とややバットが湿りがちの松山は、この日6番スタメン。2回の第一打席では1死三塁の場面でセンターへ先制となる犠牲フライを放ち、3試合ぶりの打点をマーク。8回には會澤翼の同点タイムリーの直後、なお1死一、二塁の場面で打席を迎えるも痛恨の併殺打。逆転のチャンスを逃してしまった。

 しかしリベンジの機会が延長10回に待っていた。先頭の長野久義の安打をきっかけに1死一、二塁にすると、西川龍馬がライト前ヒット。この当たりで代走の曽根海成が本塁へ滑り込むと、審判の判定はセーフ。しかし、すぐさま巨人・原辰徳監督がリクエストを要求。リプレー検証の結果、判定がアウトに覆った。

 同点打を放っている會澤は申告敬遠。2死満塁の場面で松山に打席が回ってきた。そして2ストライク2ボールからの6球目、巨人・田口麗斗が投じた低めの球をセンター前に弾き返すと三塁ランナーが生還し、チームはサヨナラ勝利。前打席の無念を晴らす一打となった。

 チームでも指折りの高い技術を持つ打撃職人・松山。しかし、10月は不調が続いた。4番を任されるも、チャンスで打てない試合が続き、3割あった打率も急降下。そして、10月の得点圏打率は.212と、持ち味の勝負強さも影を潜めていただけに、意地を見せつけた一戦となったはずだ。

 チームでは石原慶幸、長野久義に次ぐ年齢。一体感をテーマに掲げるチームにとって、松山が担う役割は大きい。

「やっぱり若い子たちがすごく自分のことを見てきますし、そういう立場なんだと思います。そこで、しょうもないことをしていたらいけないと思いますし、僕は言葉で引っ張っていくタイプじゃないので、自分のプレーや練習を見て少しでも何かを感じてもらえればと思っています」

 今季残すは3試合。すべての試合に勝利すれば勝率5割でシーズンを終えることができる。勝負強さが持ち味のベテランは、最後まで全力でグラウンドに立ち続け、チームの勝利に貢献する。