カープ床田寛樹が、11月10日のヤクルト戦(神宮)で、7回0/3を3失点でまとめて5勝目をマーク。開幕から結果が出ず、苦しい一年となったが、最後は先発として2連勝でシーズンを終えた。

11月10日ヤクルト戦に先発した床田寛樹投手。8回途中まで3失点を抑える好投で、今シーズン5勝目を飾った。

 今季15試合目の先発マウンドは、先頭打者に安打を許すも山田哲人、村上宗隆を連続三振。続く2イニングも連続で三者凡退に抑えたことで波に乗った。カープ打線の大量援護を力に変えて、7回までヤクルト打線をわずか3安打・無四球のほぼ完璧なピッチングを披露。首脳陣の期待に全力投球で応えた。

 完封勝利が見えてきた8回。この回先頭の廣岡大志にホームランを打たれたことでリズムを崩すと、そこから3者連続で出塁(失策含む)を許し降板。後を継いだリリーフ陣がヤクルト打線を抑えたことで、白星をつかむことができた。床田にとっては無念の降板となったが、4試合連続でクオリティ・スタートを達成。5勝目をあげ、今シーズン最後のマウンドを勝利で締めくくった。

「ずっと足を引っ張っていたんですが、それでも使ってもらっていたので、何とか期待に応えようと思ってやってきました」

 トミー・ジョン手術から復活を果たした昨シーズン。24試合に先発し7勝。防御率2.96と安定した成績を残したことで、今季の床田にかかる期待は大きかった。しかし、キャンプから調子が上がらず、開幕ローテに入るも思うような結果を残せない日々が続き、8月2日には一軍登録を抹消された。

 約1カ月の調整を経て9月に一軍復帰。復帰以降は、9試合に先発し4勝。シーズン後半にようやく本領を発揮し始めた。

 「やはりシーズン最初から納得いく投球ができないといけない。もっともっと、安定した投球を目指さないといけないと思っています」

 カープ唯一の日本人先発左腕だけに、チームから強い期待を背負う背番号28。今季の苦しみと悔しさを糧にして、プロ5年目となる来シーズンは、開幕からのフル回転を期待したい。