開幕戦こそ無安打だったものの、翌日は右投手にも関わらずスタメン起用され5打数4安打。ここから堂林翔太のバットが火を吹き続けた。夏場に向けては打率が4割前後を推移するなど、好調をキープ。最後までレギュラーの座を離さなかった男の、飛躍のシーズンを振り返る。
◆先の塁を狙う意識を常に持ってプレーしていました
─ 本塁打は自己最多タイとなる14本塁打、打点数(58)と打率(.279)は自己最多を更新するという結果を残されました。この数字について、率直にどのように感じていますか?
「今シーズンに関しては最初からあまり数字に関してこだわりはなかったというのが正直なところです。先ほども言った通り、監督、首脳陣の方に使ってもらって、試合に出続けることができたからこそ、こういう数字を残せたんだと思います」
─ その他に残された数字を見ると、今季は盗塁数がチームトップでした。走塁面においては、どのような意識を持っていたのでしょうか?
「昨シーズンまでも二軍での試合で『行けるときは行く』という、先の塁を狙う意識を常に持ってプレーしていました。ですので、それを一軍で表現することができたんだと思いますね」
─ 今シーズンはキャリアハイとなる数字を残された訳ですが、堂林選手の中で一番印象に残っているシーンを教えてください。
「そうですね、いろいろ印象に残っていますが、強いて挙げるなら7月8日のDeNA戦で今シーズンのマツダスタジアムで初勝利した試合ですかね。あの試合で8回に逆転満塁ホームランを打つこともできたので、一番印象に残っていますね」
─ 最後になりますが、堂林選手にとって2020年はどのようなシーズンだったと言えますか?
「本当に『今シーズンがダメだったら先はない』という強い覚悟でシーズンに入りましたし、いつ開幕するかという難しい状況でしたけど、その中で気持ちも変わらずうまく調整することができたと思います。それが今シーズンの成績につながったんだと思います。まだまだ課題も多いですけど、この先につながる課題も見えたシーズンでもありましたし、同時に自分の良さも出すことができたシーズンだったと思います」