◆世界のエースへと成長した”マエケン”

 佐々岡の引退翌年、2008年から「18」を引き継いだのが、「34」から変更した前田健太。PL学園高では二度の甲子園出場を果たし、2006年の高校生ドラフトで1位指名を受けてカープに入団。1年目の2007年は一軍登板はなかったが、その2年目に「18」を継承したのは、将来性の高さを評価されてのものだった。

投手としてのタイトルを総ナメにし、2016年からMLBへ活躍の場を移した前田健太投手。

 2008年は4月に一軍初登板を果たすと19試合に登板。先発として9勝を挙げチームの勝利に貢献した。2010年には15勝をあげ、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得し、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞するなど投手タイトルを総ナメ。1991年の佐々岡を彷彿とさせる成績を残した。

 2015年にも15勝で最多勝を獲得して再び各賞を受賞すると、このシーズン限りでMLB挑戦に乗り出し、現在はツインズで活躍中。海外から飛び込んでくる「マエケン」活躍のニュースを心待ちにしているカープファンも多いはずだ。

◆新時代を築く即戦力ルーキー

 前田の移籍後、2016年から2019年まで、背番号「18」は、持ち主のない時代が続いた。前述のブランクがこれで、「該当者なし」という状態だったわけだが、その沈黙を破って2020年に「18」を与えられたのが、ドラフト1位入団の森下暢仁だ。

2019年ドラフト1位入団の森下暢仁投手。プロ1年目に見事10勝を上げ、新人王を獲得。

 大分商業高から明治大で活躍し、日本代表チームの一員にもたびたび選出されていた森下にかかる期待は高く、1年目の開幕から先発ローテーション入り。2度目の登板でプロ初勝利を飾ると、18試合に登板し10勝をあげ防御率は1.91。圧倒的な成績で新人王に輝いた。

 今季も開幕から先発ローテーションに入りフル回転。コロナウイルスの影響により思わぬ足止めを食った時期もあったが、6月22日時点で4勝をあげる活躍をみせている。

 佐々岡に続く2人目の「ドラフト1位で背番号『18』」がどう成長し、どんな形でチームを引っ張ってくれるか、カープファンの期待も大きい。新たな「エース」の奮闘に期待したい。

【背番号『18』を背負った主なカープ選手】
長谷川良平(投手/1951年-1963年)
福士敬章(投手/1977年-1982年)
佐々岡真司(投手/1990年-2007年)
前田健太(投手/2008年-2015年)
森下暢仁(投手/2020年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。