◆日の丸を背負い続け、結果を残してきた

 ここから本格的に投手に転向した森下は3年夏にエースとして大分大会に出場。初戦の別府青山・翔青戦で9回完封、3回戦・大分高専戦では6回無失点、準々決勝・佐伯鶴城戦は2失点完投、準決勝・杵築は1失点完投と抜群の投球を披露。決勝の明豊戦も9回1失点で完投しているが、チームは0対1で敗れ、甲子園出場は逃している。

 それでも、同年夏のU-18W杯では日本代表に選出。小笠原慎之介(東海大相模/現中日)、髙橋純平(県岐阜商/現ソフトバンク)、平沢大河(仙台育英/現ロッテ)、清宮幸太郎(早稲田実/現日本ハム/当時1年生)らとともにチームの準優勝に貢献している。

 明治大学に進学後は2年生から3年連続で代表に選出され、2017年ユニバーシアードでは金メダルを獲得。翌年のハーレムベースボールウィークでも優勝を飾っている。

 トップチーム選出は今回が初めてだったが、本格的に投手に転向してすぐに代表に選出されて以降、アマチュアではつねに日の丸を背負い続け、結果を残してきた。

 東京五輪での起用法はまだまだ不透明な部分も多いが、「先発の軸」と考えられている田中将大(楽天)、菅野智之(巨人)、大野雄大(中日)が今季は決して本調子とは言えないだけに、森下が「金メダルのキーマン」になる可能性は十分。

 五輪本番まで、カウントダウンは始まっている。それまではレギュラーシーズンが最優先なのは間違いないが、そこでの好投が金メダル獲得へとつながるのは間違いない。

 カープのエースから、ジャパンのエースへ――。23歳の若武者の投球から、ますます目が離せない。