─守備や走塁を含めて、もう一度、イチから鍛え直すということですか?

「やっぱり攻める気持ちが大事だと思うんです。たとえば守備でいうと、無難にいくのではなくて、この打球を捕るんだ、この打者をアウトにするんだという攻める姿勢がもっと選手から出てくれば、チームの雰囲気も変わってくると思います」

─気持ちを前面に出すためには、選手のモチベーションも大切になってくると思います。ヘッドコーチという立場で、選手とのコミュニケーションは、どういったところを意識されていますか?

「これはスポーツ界だけでなく、世の中の常だと思うのですが、立場が上の人、年齢が上の人が話しかけていかないと、下のほうからはなかなか口を開きづらいと思うんです。選手からヘッドコーチに積極的に話しかけろというのも難しい話なので、こちらから話しかけていかないと、コミュニケーションは成り立たないと思っています。監督が言わないようなことも、僕から選手に話しかけて、行動を促していかないといけないと思いますし、そういったこともヘッドコーチの役割の一つだと思います」

─各コーチとのコミュニケーションにおいてはどうでしょうか?

「何かある度にその場その場で僕が口を挟んでいては、コーチと選手が良いコミュニケーションをとれないと思うので、最初にこちらの思いを伝えて、あとはそれぞれのコーチに任すという形をとりたいですね」

─お話を聞いていると、2016年に取材させてもらった時と同じ感覚を覚えたのですが、コミュニケーションに対する基本的なスタンスは、これまでと変わらないように感じますがいかがでしょうか?
 「そうですね。そこに関してはまったく変わりません」

 =中編へ続く=

《プロフィール》
河田雄祐●かわだ ゆうすけ
1967年12月22日生、東京都出身
右投左打/外野手
1985年ドラフト3位
帝京高-広島(1986〜1995)-西武(1996〜2002)

《コーチ歴》
西武(2003〜2015)-広島(2016〜2017)-ヤクルト(2018〜2020)-広島(2021〜)