◆いつも気になる教え子たち。彼らのプレーしか見ていない

ー広陵卒業生で、カープと関わりのある選手たちについて改めて伺いたいと思います。まず、2003年春に全国制覇を果たした白濱裕太選手について、思い出を聞かせてください。

「彼はミーティングも率先してやっていましたね。私が部屋に入ったら、すでにホワイトボードを使って、それぞれ投手や打者の特徴を書いて説明していて、準備万端な選手でした。(中村)奨成のような運動能力はなかったかもしれませんが、丁寧さはキャッチャーらしいですよね。また黒子に徹することができました。(野村)祐輔がバリバリ一軍で投げていても、ビデオを見ながら「祐輔、こうなっているんじゃないか?こうしたらいいんじゃないか?」というアドバイスを送っていたようです。祐輔の調子の良かったときのこと、脳裏に残っていることを伝えたり、相手のプライドを傷つけないように、上手に伝えることができるんです。とても誠実な選手だと思います。さまざまな苦労をして勉強をしている彼は、この先もいろんな形でカープを支えられる選手ではないかと思います」

ー次に、名前が上がった野村祐輔投手についてお聞きします。当時からクレバーな投手だったのでしょうか?

「高校時代にもっと速い球を投げようと思えば、投げられたのかもしれません。当時はまだまだ体も細かったですが『どうやったら勝てるか。どうやったら連戦を投げ切れるか』ということを、普段から考えていたと思います。自分の世界観を持っていて『何を考えているのか分からない』ということもあるかもしれませんが、優しくて良い子です。良い意味で投手タイプだと思います」