◆プロは一軍でプレーしてこそプロ
─横山竜士二軍投手コーチは、あの試合が、辻投手にとってもターニングポイントになったのではないかと話していました。
「その通りですね。打者二人に四球を出してしまって、ストライクが一球も入らなかったんです。その次の遠征には杉原が呼ばれて、その次には小林(樹斗)さんが呼ばれて……。杉田(健)さんも先発で投げていましたし、自分だけが残された時に、自分に対して悔しすぎて逆にまた火がついたという感じでした。絶対に負けたくないという気持ちでやってきたので、本当に悔しかったんです。技術面というよりも、気持ちの面で変わる一つのきっかけになりました。本当に、プロに入って一番悔しかった出来事と言っても良いかもしれません」
─辻投手は育成選手として入団されましたが、一言で育成選手を表すとすれば、どのような表現になりますか。
「自分のなかで思っていたのは、『育成選手はまだプロ野球選手ではない』ということです。やはりプロ野球選手というのは、一軍でプレーしてこそだと思います。それは、自分が実際に一軍で投げて改めて強く感じました。三桁の背番号では、その舞台にも立てません。二桁の背番号になってやっとプロ野球選手と言えるんだと思います」
─では、育成選手を経験したからこそ良かったと思えることは?
「何事も前向きに捉える考え方が身についたというか……多分、喜び方が違うのかなと思います。自分たち育成から支配下になった選手にとっては、まず背番号が三桁から二桁になって、そこから初めて一軍に登録されて試合に出場するという流れになります。これは他の人にはできない経験だと思いますし、大盛(穂)さんも二俣(翔一)さんも(前川)誠太さんも、育成から上がった選手たちはみんな思っていることだと思います。他の人たちとは違う経験ができたのは育成だからこそだと思いますし、育成だからこそ味わった悔しい経験や負けたくないという気持ちは、自分にとって大きな武器になっていると思います。その気持ちは絶対に忘れません」
■辻大雅(つじ・たいが)
2004年8月29日生・21歳・プロ3年目
二松学舎大付高−広島(2022年育成ドラフト3位)
背番号:125(2023〜2025)ー98(2025〜)
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