サイドでのプレー経験が、ボランチをするうえで活きた

 もともとボランチは未経験のポジションだった。2022シーズン4月の福岡戦で人生初のボランチを務めた東は、当時をこう振り返る。

 「ボランチに起用されたのが本当に急だったので、正直なところ、あの時は感覚でプレーしていたところもありました。ミスも結構ありました。でも今シーズンは頭で考えながら、ポジショニングも意識しながら、良いプレーができているんじゃないかなと思っています。WBとしてプレーするなかで『今、ここで横のサポートが欲しいな』と思うこともあったので、それを自分に置き換えて、ボランチとしてプレーするときにはその時の気持ちを意識していました」

 複数のポジションでプレーするからこその感覚が、今の東には宿っている。

 2025シーズンは、札幌から菅大輝の加入もあった。東にとっては同じ左サイドのポジションを争うライバルでもある。ただ、菅との関係性を尋ねると、「ライバルというよりも、1選手として、僕にないものを持っている素晴らしい選手だと思っています。ミドルシュートだったりキックのパンチ力だったり、パワーもありますよね。1対1の強度も高い。自分も頑張らないと、と思います」と語る。チームメートの存在が、東にとって大きな刺激になっている。

 ゲームの舵を取る重要なポジションを担いながら、得点でもチームに貢献してきた。3月16日の柏戦で決めた強烈なダイレクトボレーは、月間ベストゴールにも選ばれた。印象的なゴールに絡むのも、東のひとつの魅力だろう。

 「リーグ戦では柏戦と鹿島戦(6月14日・メルカリスタジアム)でゴールをあげました(取材時点)。ゴールへの感覚はこれまでと変化していないと思っていますが、どちらのゴールも練習で積み重ねてきたものが出たゴールなので、改めて練習の大切さを感じました。試合中に同じような場面になっても落ち着いてシュートを打つことができるので、それが得点の要因になったと思っています」