オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、MLBワシントン・ナショナルズのトレーナーを務め、メジャー時代は「マック(高島の愛称)はゴッドハンドを持っている」と高い評価を得たトレーナー・高島誠。この連載では、数々のプロ野球選手を指導してきた経験をもとに、これまで公では語られることのなかった、マック流・野球パフォーマンスアップの秘密を披露していく。

 

◆ウエイト・瞬発系・身体操作の順番でトレーニング

 野球専門のトレーニングジム「Mac’s Trainer Room」代表の高島誠です。『Mac高島の超野球塾』の連載をご覧いただき、ありがとうございます。

 今回はvol.17で紹介したプロ野球選手のオフシーズンの過ごし方の続編をお届けしたいと思います。

 2021年シーズンに向けて、プロ野球選手達のトレーニングがスタートしました。僕のジムでも、12月からプロ野球選手が来てトレーニングを行なっています。

 トレーニングの様子は、僕のTwitterで随時公開していますので、ぜひご覧になってもらえればと思います。

 この12月、カープからは、正隨優弥選手、中神拓都選手、木下元秀選手の3人が数日間来てくれましたし、他球団では、長谷川宙輝選手(ヤクルト)、太田光選手(楽天)、森原康平選手(楽天)など、数多くの選手が来シーズンに向けてトレーニングを行いました。

 プロ野球選手のトレーニングは、僕のジムでは、基本的には3勤1休ペースで行います(滞在日数によって異なる場合もあります)。午前中はトレーニング、午後はポータブルトラッキングシステム「ラプソード」を使い、ピッチングやバッティングの状態を分析していきます(ラプソードについての詳しい説明はこちらのコラムをご覧ください)。

 トレーニングは1日ごとに『ウエイトトレーニング』、『瞬発系トレーニング』、『身体操作トレーニング』の順番で行います。選手によってポジションも違えば、課題も異なるので、それぞれの選手に合ったオリジナルメニューを考えています。

 オフのトレーニングにおいて課題を明確にすることは非常に大事です。時間も限られているため、闇雲に練習をしていては次のシーズンもまた同じことの繰り返しになりかねません。なんのためにこの練習をやっているのかをしっかりと自分で理解する必要があります。

 僕のジムでは、まず課題を明確にすることから始めます。ジムに通ってくれる選手の状態は、シーズン中からチェックしているため、映像を見て僕が感じた課題と、選手が抱いている課題をすり合わせをして、このオフに克服するべき課題を、選手とトレーナーが共有したうえで、トレーニングに取り組んでもらいます。