◆川辺次第でサンフレッチェの勝敗が左右される

─確かに勝ち負け以前に、春先は本当にリーグ戦が行えるのかという状態でした。

吉田 そういう中でサンフレッチェに関してはもっとやれたという部分は当然あるんでしょうけど、若い選手が成長してチームの中心選手になったという意味では、すごく意味のあるシーズンだったと思います。課題としては浩司が言っていたように得点力の部分になるかと思いますね。

カズ コロナの影響で選手はコンディション調整だけではなくて、サッカー以外の部分でもすごく気を使って生活していたと思うんです。いつコロナに感染するのか分からないという恐怖感。もし感染したらチームだけではなくJリーグ全体にも迷惑をかけるという状況なので、責任が相当重いシーズンでしたよね。なので二重に大変だったと思いますね。試合に関しては大型連勝がなかったので、なかなか勢いに乗れないところがありました。ただ浩司も言ったように守備面は確立されてきたと感じています。あとは攻撃面で自分たちが試合前に想定していたものがハマればどこにも負けない力は付いてきていると思うので、あとは相手が対策をしてきたとき、自分たちのコンディションが悪いときに、どうやって臨機応変に戦い方を微調整していくか。引き分けが多かったですけど、そういうところを改善すれば引き分けを勝ちに持っていけると思います。

─今季、個人的に注目されていた選手はいますか?

カズ 川辺です。8番をつけているからというわけではなく、単純に彼がボランチに入って1年間どれだけのパフォーマンスを見せてくれるかという点に興味がありました。川辺次第でサンフレッチェの勝敗が左右されると言えるだけの選手になっていると思いますし、優勝を狙う上で鍵となってくる選手であることに間違いはないと思います。

─ちなみに今年の川辺選手は何点の出来でしたか?

吉田 ドクトル・カズとしての意見が聞きたいね!

カズ 80点ですね。もちろん彼一人の責任ではないのですが、チームが勝ちきれない部分もあったというところで、20点を引かせてもらいました。もっとチームを上のステージに引き上げてほしいという思いを込めての点数ですね。また攻撃面に関して、川辺なら二桁得点を記録するだけの能力が十分ありますし、アシストも同様にもっと上を狙える選手です。ただ、守備面はそうとう成長したと思いますよ。