サンフレッチェ広島の3大OBである吉田安孝氏と森﨑ツインズ。この3者の目に今季のサンフレッチェはどのように映ったのだろうか? 今回はコロナ禍に見舞われた未曾有のシーズンを、3大OBが独自の目線で振り返る。

現役時代はサンフレッチェの中盤を支え続けた森﨑ツインズ。

◆誰が出てもチーム力が落ちない全体の底上げが必要

─では今季のサンフレッチェにも触れていただきたいんですが、まずは浩司さんからお願いします。

浩司 開幕がすごく良いスタートだったのですが、その勢いを維持できなかったのは残念でしたね。Jリーグ中断明けの神戸戦で快勝して『これは本当に今季優勝できるんじゃないか!?』と思った部分もあったんですけどね。良かったのは、これまで培った守備ですよね。今季も失点が少ないですし、年々成長している部分だと思います。逆に課題なのが、これは例年言っていることでもあるんですけど得点の部分。ペレイラが得点ランキングで上位に位置していますけど、『この選手だったらゴールを決めてくれる』という日本人選手が、もう一人、二人出てこないと勝てる試合も取りこぼしてしまいます。川崎が優勝しましたけど、誰が出てもチーム力が落ちない。そういうチーム全体での底上げが必要でしょうね。

吉田 今年はコロナというものがあったので、まずは感染者を出さないというところですよね。これはサンフレッチェだけに限らず、Jリーグ全体、ひいてはプロスポーツ全般に言えることですが、最後までシーズンを完遂できたというところが全てだと思います。選手、スタッフ、関係者、そしてサポーターまでもが我慢するところは我慢して乗り切ったというのは、本当に良かったというのが正直なところですね。