◆来年は五輪も含めスポーツで光を見せたい

─最後に御三方から来季のクラブに期待することをお伺いして、この対談を締めようと思います。まずは浩司さんからお願いします。

浩司 来年は五輪も含めスポーツで光を見せたいという思いがやっぱりあります。サンフレッチェのことで言うならば、少しタイトルから遠ざかっているので来季こそはタイトルを獲るという強い気持ちを持って前に進んでほしいです。サンフレッチェの試合を見て広島の方が元気になれるように、選手だけではなく自分たちももっと頑張っていきたいですね。

吉田 守備は確立されてきたので、城福監督が推奨するムービングフットボールの推進、やはり攻撃の部分で見ていて面白いサッカー、勝ち負けは度外視して本当に面白いサッカーを追求してほしいです。守備でも攻撃でもアグレッシブなものを見せてほしいですよね。そうすれば自ずと得点力もアップするでしょうし、若い活きの良い選手もたくさん出てきているので、堅く守ってというよりも躍動感のあるサッカーを見せてほしいと思います。

カズ 3年間で積み上げたものを出した試合は、だいたい完勝だったり良い勝ち方ができているので、逆にそれができないときの臨機応変さというか、そういう部分を選手に求めていきたいですね。今年は逆転勝ちという部分でも、なかなか厳しいシーズンでした。反発力も経験しないと身についていかないので、そういうものを来年は経験しながら上位と言いますか、優勝を狙える位置で常に戦ってほしいですね。

▼吉田安孝(よしだやすたか)
1966年11月22日生、広島県出身/179㎝、77㎏/現役時はDF。1991年に田辺製薬サッカー部からマツダSCに移籍。Jリーグ発足によりマツダSCがサンフレッチェ広島に。1994年にサントリーシリーズでステージ優勝。1996年に現役を引退。現在は広島テレビ『進め! スポーツ元気丸』などのサッカーコメンテーターとして活躍中。

▼森﨑和幸(もりさきかずゆき)
1981年5月9日生、広島県出身/177㎝、75㎏/現役時はMF。1999年、高校3年時に2種登録選手として広島でトップ登録。同年、クラブ史上初の高校生Jリーガーとしてデビュー。1年目から主力として出場し、新人王を受賞。2017年9月にはJ通算500試合出場に到達。2018年に現役引退。現在は広島のクラブリレーションズマネージャーとして活躍中。

▼森﨑浩司(もりさきこうじ)
1981年5月9日生、広島県出身/177㎝、77㎏/現役時はMF。森﨑和幸は二卵性双生児の兄にあたる。長らくチームの主力として活躍するも、後年はオーバートレーニング症候群など体の不調に苦しんだ。2016年に現役引退。以降は初代アンバサダーとして活躍中。心の病とも戦い続けた兄弟初の著書『うつ白(はく) そんな自分も好きになる』が絶賛発売中。