世界中がコロナ禍で揺れるなか、サンフレッチェ広島も例に漏れず大打撃を受けることとなった。それでもサンフレ3大OBである吉田安孝氏、森﨑和幸氏、森﨑浩司氏は「ピンチはチャンス」とばかりにポジティブな意見を提言。ここでは新型コロナの第3波が訪れる前に収録したスペシャル対談の後半部分をお届けする。

コロナ禍で広報活動などにも支障をきたすなか、3者はさまざまな形でサンフレッチェを世間にアピール。対談でもポジティブな意見が飛び交った。

◆選手の名前を憶えてもらうというのが初めの一歩

─ 今季は新型コロナウイルスの影響により集客の面で苦しんだ部分がありましたが、今後さらにサンフレッチェが市民権を得ていくために必要なことについて、どのようにお考えでしょうか?

吉田 まずは選手の名前を憶えてもらうというところが初めの一歩だと思います。例えばカズ、浩司は今の若い選手と比べても圧倒的に知名度が高いじゃないですか。どっちがカズ? どっちが浩司? というのはあるかもしれないけど(笑)。

浩司 それが言いたいだけでしょ(笑)。でも、難しいところもありましたよね。選手を表に出そうにもコロナがあるので。ただ、見てもらわないことには市民権も得られないので、いろいろ考えたいと思います。選手がいろいろな場に出ていくということと、コロナに感染するリスクを最大限に抑えるということが相反することだったので、非常に難しい部分はありました。

カズ サンフレッチェとしては、チームや選手をもっと身近に感じてもらえるようにならないといけないなというのがありますし、自分たちがやることに共感してもらえるようなそういう魅力を打ち出していきたいですね。何かに共感してもらわないと、わざわざスタジアムに足を運ぼうと思わないでしょうから。自分たちだけでつくっていくというよりは、みなさまと一緒にサンフレッチェ広島というクラブをつくっていく、という考えに行かないとダメなのかなと思います。

◆コロナだからこそ変わるチャンスでもある

吉田 コロナで暗くなるじゃないですか。でも、スタジアムに行ったら感染対策はしっかりしているし、お祭り広場があるとか、おいしい食べ物の屋台も出ているとか、どんどんやってもいいと思いますね。こんなイベントがあります、誰々が来ますとか。

浩司 サッカーだけじゃない部分ですよね。

吉田 マツダスタジアムを見たら明らかじゃないですか。野球だけじゃなくグルメとか、いろいろな楽しみがありますから。もう何かをぶっ壊すくらいのことを、やってもいいんじゃないですかね。えっ、そんなこともやるの?っていうようなことも。

浩司 何かを求めるから会場に足を運ぶわけですからね。

吉田 コロナだからこそ、これまでできなかったことをやっていくぐらいのつもりじゃなきゃね。

浩司 たしかに変わるチャンスでもありますよね。