◆若手起用でチームを改革した野村謙二郎監督

【野村謙二郎(2010-2014年)】
結果が出ていないんですから直すところを挙げればキリがないですし、全てを変えなければいけません
(広島アスリートマガジン 2009年12月号)

2010年から指揮を執った野村謙二郎監督。16年ぶりのAクラス入りを成し遂げるなど、5年間で2度のAクラス入りを果たした。

 ブラウン監督の跡を継ぎ、2009年オフに監督に就任したのは野村謙二郎。現役時代はチームリーダーとして活躍しリーグ優勝経験もある野村が、12年連続Bクラスと低迷を続けるカープの復活を任された。

「カープが強かったとき、優勝しているとき、常にAクラスにいたとき、選手としてチームにいましたが、そのときに受けた指導で結果が出ている。そういう意味では、そのときの野球を目指していければ間違いはないと思っています」 

 ブラウンが監督を担った4年間とは方針をガラリと変え、キャンプではカープ伝統の猛練習を重ねた。その結果、梵英心や廣瀬純など、前年に成績を残せなかった選手が復活。2010年にはチーム盗塁数が過去15年間で最多の119個を記録するなど、カープに息づく“足を使った野球”を再びチームに根付かせた。

 監督4年目の2013年には、1997年以来16年ぶりのAクラス(3位)となり、球団初となるCS進出を果たすと、翌2014年も2位となり2年連続のCS進出を決めた。また、菊池涼介や丸佳浩など、後のリーグ3連覇を支える中心選手を我慢して起用し、若手育成の面でもチームに大きな影響を与えた。