2019年入団選手で唯一、育成指名を受けた大盛穂。静岡産業大出身の初のプロ野球選手として注目を集めると、プロ1年目で支配下登録をつかみとった。今季は開幕から一軍に帯同し、守備・走塁はもちろん、6試合連続安打(6月19日現在)と打撃面で猛アピールを見せている。
ここでは、プロ1年目のシーズン、支配下登録を目指す時期の大盛が、自らを突き動かす『原動力』を語ったインタビューを再編集してお届けする。(広島アスリートマガジン2019年11月号から一部を再編集して掲載)
◆自分は育成選手。甘えてはいけないと思っている
ープロ1年目のシーズンの手応えを教えてください。
「二軍で打率3割を打たないと支配下登録になれないと思ってやっていたので、1年目とはいえ2割5分に満たない打率は満足していません。シーズン途中から打率が下がってきていたので、少しでも調子を上げて、良い形でフェニックス・リーグや秋季キャンプに入りたかったのですが、なかなかうまくいきませんでした」
ー課題はどんな点に感じていますか?
「シーズン序盤は投手からの攻めがアバウトでしたが、徐々にインコースを攻められ打球が詰まらされるようになってきました。インコースのボール球を使われて、捕手の思う壺になってしまっている印象がありました」
ーシーズン中に、重点的にインコースを捌く練習をされたのでしょうか。
「インコースは自分の課題ですが、そればかり意識しているとアウトコースも打てなくなってしまうので、インコースだけ練習する日をつくったら、翌日はアウトコースだけを打つようにしたりしていました」
ーでは、守備走塁面についてはいかがですか?
「守備はある程度、自分の持ち味が出せたと思います。走塁、というか盗塁は満足できる成績ではありません。16個という数字に対して評価してくれる方もいますが、自分はまだ育成選手ですし、甘えてはいけないと思っています。もっと高い目標を目指していかないといけません」
ー大学時代に対戦していた投手とプロで対戦する投手はどんな点に違いを感じますか?
「直球のキレです。ボール球だと思った低めの球が伸びて普通にストライクだったということがあって驚きました。対戦した中で印象に残っている投手は、オリックスのディクソン投手や黒木(優太)さんです。一軍で活躍経験がある投手の迫力はやっぱり違いますね」
■大盛穂(おおもり・みのる)
1996年8月31日生、大阪府出身
右投左打/外野手
飛龍高-静岡産業大-広島(2018年育成ドラフト1位)