◆“扇の要”として存在感を発揮

【石原慶幸(選手会長:2010~2011年)】

投手野手関係なく、困っている若手は助けたい
(広島アスリートマガジン 2011年4月号)

2010年から2年間、選手会長を務めた石原慶幸選手。捕手として、リーダーとして、コミュニケーションを意識してチームをまとめた。

 昨年、19年間の現役生活にピリオドを打った、カープを代表する捕手・石原慶幸。2009年にWBC日本代表にも選出され、2010年は前田健太(ツインズ)と最優秀バッテリー賞を受賞。捕手として多くの名声を手にしてきた石原が選手会長を担っていたのが2010年と2011年の2年間だ。

 石原は選手会長に就任する前年の2009年にFA権を取得。2007年には新井貴浩、黒田博樹がチームを去る決断を下した中、石原はカープ残留を決断した。

「カープで勝ちたいという気持ちで残ったわけですから、そのことしか考えていません」。

 2010年の選手会長就任以降、春季キャンプ前の合同自主トレでは、これまで以上に、若手に積極的に声をかけるなど、チームの和を考えて動くことを意識した。

「投手野手関係なく、困っている若手がいれば助けてあげたいと思うので、タイミングがあったら話をするようにしています。ユニホームを着ているときと着ていないときとではまた違った雰囲気も出ると思いますしね」

 黒田博樹、新井貴浩、倉義和、石原にとって縁の深い選手から渡ってきた選手会長のバトン。リーダーとしてチームを引っ張る役目を担ったことを当時の石原はこう捉えていた。

「リーダー? うーん、どうなんですかね。自分自身が納得した成績を残せていないというのもあるのでね。そこは僕だけじゃなくて、バッテリーとして試合を作って勝ちに結びつけられればと思っています」

 捕手として、リーダーとして、愚直に“勝利”を求めた背番号31の想いは、2016年25年ぶりの優勝という最高の結果で報われることとなった。