広島ユース時代に主力として高円宮杯U-18優勝などに貢献。2019年にプロ契約を締結した土肥航大が、昨季は中盤からピッチ上で自身のプレーを表現する機会が増えている。今年20歳を迎える若きボランチが、群雄割拠のMF枠でレギュラー定着を目指す。

広島ユース出身の土肥航大選手。4月に20歳を迎える左利きのボランチだ。

◆コロナ禍の中で駆け抜けた10代最後のシーズン

― 実質プロ1年目とも言えるシーズンでしたが、土肥選手にとってはどのようなシーズンでしたか?

 「最終的には試合に絡めたんですけど、シーズン前は練習中のゲームにも入れないというのが現実でした。居残り練習も多くて精神的にキツいときもありましたね。同じ時期に緊急事態宣言が出たこともあって、メンタル的に厳しい時期は正直ありました」

― 一番苦しかった時期は?

 「リーグ戦開幕直後のルヴァン杯(2月26日、札幌戦)が延期になったときですね。そこがチャンスだったんですけど、『なかなかチャンスが来ないな』と思っていたところでのコロナだったので……」

― 監督からルヴァン杯での起用を伝えられていたのですか?

 「スタメンではないですけど、ベンチ入りは言われていました。『このチャンスを逃したら次はない』と思っているところでの中止は、やっぱりキツかったです」

― その中で8月5日の札幌戦(ルヴァン杯)で、今季初出場を果たしました。

 「サッカー選手をしている以上は試合に出てナンボだと思うので、緊張もせず試合そのものを楽しめました。もちろん試合に出て活躍するのが一番なんですけど、純粋に楽しかったですね」

― 8月の横浜FM戦でリーグ戦初出場。そして9月の大分戦で初のフル出場。傍目には順調にも見えましたが?

 「ただ結果は残せなかったので、手応えというものはないですね。今年こそは結果を残したいと思います」

― どの辺に課題を感じました?

 「スタメン出場した横浜FC戦(11月14日)は、球際で負けているところが多かったです。その部分を改善しようと思って柏戦(12月16日)に臨んで、そこはガツガツ行けたので少し成長を感じることができました。でも、まだまだですね。いろいろな意味で50点以下の出来だったと思います。点数で言えば30点くらいですね」