◆#2 坂倉将吾

 

 これまでは外野手などにも挑戦してきた坂倉だったが、2020年は再び捕手一本に絞った結果、捕手として47試合のスタメンに出場。春先から好調をキープし、それまで捕手スタメンがゼロだったとは思えないほどの活躍を見せつけた。

「僕からすると、まだまだ“出していただいた”という表現になりますが、その中で、試合を重ねるにつれて、しっかりと頭を整理して試合に出ることができるようになったと思っています。まだまだ捕手として足りない部分は多いですけど、準備に対する考え方と取り組みは、昨年から成長できた部分だと思います」

 飛躍を遂げた2020年だったが、本人の中で慢心は一切なし。試合出場を大幅に増加させたシーズンとはいえ、レギュラーをつかんだとは言い切れない現状は誰よりも理解している。

 一軍スタートとなったキャンプでは、レギュラー奪取の最大の障壁である會澤翼、そして若手捕手の中村奨成、石原貴規と共に汗を流している。坂倉自身昨季の守備について「反省ばかりですね。リードにしても、捕球にしても、とにかくミスが多かった記憶しかないです」と語るよう、不安定な場面も見受けられただけにこのキャンプで首脳陣からの信頼をガッチリとつかみたいところだ。

 一方で、1年目から二軍で3割近い打率を残してきた打棒は、昨季一軍で打率.287をマークするなど、“打てる捕手”としての存在感をアピール。以前は苦にしていた直球への対応力が向上したことも、一軍レベルの投手に対して結果を残す要因の一つとなったようだ。

 石原慶幸という、長年カープの本塁を死守してきた男から背番号31を受け継いだシーズン。プロ5年目を迎える坂倉が目指すのは“レギュラー”の一点のみだ。