1993年の創刊以来、カープ、サンフレッチェを中心に「広島のアスリートたちの今」を伝えてきた『広島アスリートマガジン』は、2025年12月をもって休刊いたします。32年間の歴史を改めて振り返るべく、バックナンバーの中から、編集部が選ぶ“今、改めて読みたい”記事をセレクト。時代を超えて響く言葉や視点をお届けします。

 第6回目の特集は、カープの輝かしい3連覇を振り返る。リーグ優勝、そして連覇を支えた選手たちのインタビューをセレクション。

 これまで9回のリーグ優勝と、3回の日本一に輝いているカープ。なかでも25年ぶりの優勝を果たした2016年からの3連覇は輝かしい記録として、今なおファンの記憶に深く刻まれている。ここでは、広島アスリートマガジンで過去に掲載してきた『3連覇を支えた選手・首脳陣インタビュー』を改めて振り返る。

 今回は、広島がリーグ優勝を果たした2016年、初の開幕投手を務めるなどシーズン序盤から先発投手陣の柱としてマウンドに上がり続けた、クリス・ジョンソンの独占インタビューを再編集。『カープ史上最強の助っ人左腕』が、充実のシーズンを振り返る。

父方の祖母が日本人というジョンソン。広島では前田健太以来となる『沢村栄治賞』に輝いた

忘れ難い優勝の瞬間

—— 今季(2016年)を振り返ってみて、ご自身のなかで満足している点を教えてください。

「シーズンを通して、一番満足していることは、やっぱりシーズン優勝です。その中でも優勝を達成した瞬間は、忘れがたい思い出の一つです。グラウンド上でチームメートと喜びを分かちあうというのは非常に素晴らしい瞬間だと思いました。優勝ができたということはみんなが良い形でシーズンを勝ち進めていったということです。勝ちがどんどん増えていくというその過程も素晴らしかったと思いますし、それがチームメート全員で成し遂げたということことが自分でも実感できるシーズンでした。全体的に見てチームとしても、個人としても非常に満足のいくシーズンだったと思います」

—— 優勝が決まった瞬間はどのような気持ちになりましたか?

「全ての感情が出てしまいました。喜び、うれしさ、涙、本当に気持ちというすべての気持ちが出ていたと思います。もちろんこれは私だけではなく、全員がそういう気持ちだったと思います。本当に幸せな瞬間でした」

—— 優勝決定試合が終わった後に行われたビールかけはいかがでしたか?

「とにかくベタベタでいろいろな所がビール臭かったですが、そんなことはお構いなしにみんながびしょびしょになってはしゃいでいました(笑)。カツラを被ったり、水鉄砲を持参していたチームメートもいましたし、個々に楽しんでいるということがよく分かりました。あんなに大人数でビールをかけながら喜びを分かち合うということは滅多にないことですし、あのような場に入れてみんなと喜びを共有できたということは、本当に幸せでした」