コロナ禍で揺れるなか、J1リーグの開幕戦が目前に迫ってきた。ここでは、さらなる飛躍が期待されるサンフレ戦士を編集部目線で紹介していく。

昨季はシャドー、左右のウイングバックで攻撃の起点となった東俊希選手。4バックのシステム変更で、さらなる飛躍が期待される。

 昨季の9月後半からスタメン出場が急増するなど、サンフレッチェの新たな顔となりつつある東俊希。10月の鳥栖戦ではJ1初ゴールも決め、チーム再浮上の立役者の一人となった。しかしながらクロスの精度など、少なからず課題点が見えてきたのも事実。東自身も昨季のパフォーマンスには満足していないという。

「スタメンで出場できるようになってきましたけど、それでは全く満足していなくて、もっと結果を残さないとダメだと思っています。満足できるような結果を残せてないので、そこでもがいているような状況ですね。スタメンに選ばれたときも、そこで結果を出さないと次の試合でスタメンを外されることもありました。なので今は毎試合が勝負だと思っています」

 高い能力を示すように、U-15からU-19まで各世代で代表に選出されている。そして昨年末にはケガで途中離脱したとはいえ、U-23日本代表候補トレーニングキャンプにも参加。一つ殻を破れば、一気にブレイクしてもおかしくないサンフレ屈指の有望株だ。ただ期待値が高いからこそ、周囲の東を見る目も自ずと厳しいものになっている。

「課題はゴール前の最後のクオリティーを高くすることと、思い切りの良いプレーですね。思い切りの良い判断をすることが大事だと思います。あとは、やはり得点です。シュートでもアシストでも同じ1点なので、それはどちらでもいいんですけど、とにかく自分は得点に絡まないとダメだと思っています」

 昨季は決定力不足も影響し、チームの逆転勝利数がゼロに終わった。同じ轍を踏まないためにも、今季はより積極的な攻めの姿勢が必要不可欠だ。

「個人的にはゴール前でシュートという選択肢をもっと増やしても良いと思っています。もちろんチームとしてボールを大事にすることは良いことなんですけど、相手からしたら速いカウンターの方が絶対に嫌だと思うので前にボールを出せるときはどんどん出しても良いと思っています。自分は毎試合、毎試合、結果を出さないといけない立場なので、また新たな緊張感というか、これまでとは違う新しい感情が出てきています」

 持っている能力は折り紙付き。東京五輪も視野に入れるサンフレ期待のレフティーが、今季こそは明確な数字で自らの実力をアピールしたい。