◆すっかり捕手の番号として定着

 前田の後、1994年からは捕手の小畑幸司に引き継がれ、2001年まで8シーズン在籍した後に自由契約に。2002年からは小畑と同じキャッチャーの石原慶幸が譲り受けた。

 東北福祉大学時代にはシドニーオリンピック日本代表にも選出され、2001年のドラフト4巡目指名でカープに入団した石原は、2年目の2003年に115試合出場と躍進。以後2020年に引退するまでの19シーズンで球団捕手史上最多の1620試合に出場し、球団捕手史上初の1000安打(しかも史上最年長の38歳8カ月)も達成した。

 2010年代には前田健太、野村祐輔と共に最優秀バッテリー賞を3回受賞、25年ぶりのリーグ優勝となった2016年にはセ・リーグ最年長の37歳で初のベストナインおよびゴールデン・グラブ賞を獲得するなど、カープ捕手の歴史を大きく塗り替えた。

 小畑以降、すっかり“捕手の番号”して定着した背番号『31』。今シーズンからは坂倉将吾が背負っている。2016年ドラフト4位入団の坂倉はルーキーイヤーの2017年から一軍デビューを果たし、現在の正捕手・會澤翼の後を継ぐ存在として期待されている。坂倉が『31』と共に見せてくれるのは、どんな新しい景色なのだろうか。

【背番号『31』を背負った主なカープ選手】
横溝桂(外野手/1955年-1969年、コーチ/1972年-1973年)
前田智徳(外野手/1992年-1993年)
小畑幸司(捕手/1994年-2001年)
石原慶幸(捕手/2002年-2020年)
坂倉将吾(捕手/2021年-)