コロナ禍の影響を受けながらも、春季キャンプが無事に終了した。投手陣の再建が急務となるなか、カープOBの大野豊氏がクローザー問題について言及する。

即戦力右腕としてドラフト1位指名された栗林良吏投手。キャンプ中も好投を披露した。

 今のカープでもっとも重視すべきものはリリーフ陣ですよね。その中でも、特に重要視されるのがクローザーです。セットアッパー候補は何人かいますが、フランスアもコロナの関係で少し出遅れました。昨季は1点を守り抜く野球ができなかったわけですし、ここは早急に改善しなければならない問題ですよね。

 その意味では栗林に適性があるのならば、最後の1イニングを任せても良いのではないかと思います。良いフォークを持っていますし、力投型でもあるので「1イニングを全力でいってこい」という起用法も一考の余地があると思います。当然、彼は新人王を目指しているでしょうし、本当は先発がやりたいかもしれないですけどね。

 ゲーム形式の練習での投球を見る限りでは、ボール球が続くと若干、制球に乱れが出てくる印象もありました。まだ調整段階ということもあり、投げ込みの量が足りていないということもあるでしょうが、一球ごとに力を込めて投げるタイプでもあるので短いイニングの方が合っているような気もします。攻める気持ちもありますし、「1イニング10何球でいってこい」という使い方でも良いのではないでしょうか。

 一軍投手コーチを務める永川も、コントロールの良さで勝負したわけではなく、フォークを武器にセーブを積み重ねました。球団最多のセーブを挙げた投手が一軍で投手コーチとしているわけですから、参考になる話はたくさんあると思います。

 個人的には彼の名前がクローザーの第一候補として挙がっても良いと思います。いずれにせよカープが巻き返しを図るには、クローザーの固定が絶対条件でしょうね。