カープが大好きな役者・我善導がナビゲーターを務めるカープTシャツコレクション。カープファンの心を魅了し続けるTシャツを、芸能生活20年目を迎えた我善導が語り尽くす。懐かしのTシャツから最新Tシャツまで、たくさんのTシャツがありますが、どれが紹介されるかはナビゲーターの気分次第。果たして、あなたのお気に入りの1枚は取り上げられるのか!？カープTシャツの魅力を新たな視点で切り取った連載。さぁ2回目の幕開けです！

◆カープTシャツコレクション〜今週の1枚〜◆

　みなさん、こんにちは。カープTシャツコレクターの我善導です。週刊連載、今回も張り切ってまいりたいと思います！

　今回のTシャツストーリーのはじまりは、ある日スマホに届いたニュースから。

「侍J・稲葉監督、広島・鈴木誠に五輪での4番構想を伝える」

　ぉぉぉぉ、なんてワクワクする文言でしょうか。見た瞬間、思わずニヤニヤしちゃいました（間違いなく顔に出てました（笑））。だって、ぼくたちカープファンが球団と一緒に育てた鈴木誠也選手が、記念すべき東京での五輪の4番候補に挙げられているのです。それはそれはニヤニヤ、ウフウフ、アハアハしてしまいますよね。鼻息も荒くなるってものです。

「まてまて。ファンが球団と一緒に育てた？」と思われた方もいらっしゃいますよね。ご説明しましょう。カープは12球団で唯一の独立採算の球団ですから、我々が購入したチケット、グッズなどのお金が、選手たちの年俸の一部になっているのです。そう考えると、ファンとしても選手を育てているような感覚になるものです。

さて話は戻って、今回の主役は鈴木誠也選手です。25年ぶりの優勝を果たした2016年に「神ってる」の言葉と共に大ブレイクを果たし、今や日本を代表するスラッガーに成長したスーパースターです。

　そんな鈴木誠也選手に敬意を表し、今回紹介したいTシャツはこちらです！

 

◆今週の1枚〜通算2枚目〜◆
【鈴木誠也サヨナラホームランTシャツ】
2018年8月23日　ヤクルト戦（マツダスタジアム）

　この試合、覚えておられますでしょうか？2018年のキャッチフレーズ「℃℃℃」の限定ユニホームを着用して臨んだ試合でございます。

　ほんとにほんとに劇的な試合展開でした。序盤から0対7と大きくリードを許すも、曽根選手のプロ初安打&初タイムリーのスリーベースヒットなどで反撃開始。5−8で迎えた9回には赤いユニフォームを着た丸選手のホームランで同点に追いつくと、最後は鈴木誠也選手がとどめのサヨナラホームラン！！（涙）

　僕はこの試合を自宅のテレビで見ていました。序盤に大量リードされたこともあり、途中、曽根選手の一軍デビュー打で「今日はこれが観れただけでもいいか」なんてポジり要素を探していたところからの大大、大逆転劇！！

　興奮のあまり、東京世田谷区のアパートで、役者なのに声を枯らしてしまうんじゃないか？！と思うほどの雄叫びをあげておりました。壁が薄いボロアパート・・隣のお部屋の方、うるさかったですよね・・。この場を借りてお詫び申し上げます。

　そんな劇的な幕切れが待っていたサヨナラホームランの記念Tシャツ。表面には力強く拳を上に突き上げる鈴木誠也選手がデザインされています。

　そして、限定ユニフォームのカラーに合わせて刻まれた「51枚目のサヨナラTシャツ」の文字。裏面には「凄すぎていいフレーズを思いつきませんでした。ごめんなさい。企画スタッフ一同」の文字と共に頭を下げるスタッフの皆さんのイラストが！このスタッフの皆さんのカワイイ遊び心もポイントなんです。

 

　カープがサヨナラTシャツをつくり始めてから通算51回目のサヨナラ打を、当時背番号51番の鈴木誠也選手が打つという、何とも運命的な試合、そしてTシャツでした。

　そしてもう1つ。運命的なものを感じるのはこのTシャツのキーワードにもなっている「51」という数字。

　51番と言えば“孤高の天才“と呼ばれた前田智徳さんの背番号。前田さんは51番から31番を経て、1番を背負っています。そして鈴木誠也選手もこのTシャツの翌年、2019年からは1番を背負っています。つまり、この51番から1番の流れは、名選手の系譜だといえると思うんです。

　そしてこの系譜を継がなければいけない選手がいます。それは、今現在51番を背負っている小園海斗選手です。

　持ってるポテンシャルは前田智徳さん、鈴木誠也選手と比べても遜色ないはず！

　背番号51番の小園選手に惚れ込み、お金がないにもかかわらず、3万円のプロ仕様ユニホームを買ってしまう、そんなカープ愛に溢れた男からの全力のエールです。そして、いつの日か「侍J監督、広島・小園に侍ジャパン入りを伝える」といった通知がスマホに届くことを願っています。

　過去の歓喜に酔いしれ、未来の希望に心が踊る。そんなことを、このTシャツを通して感じたのでした。

 

　気がつけば季節は3月。今月には、待ちに待ったプロ野球がいよいよ開幕します。新旧51番コンビ、鈴木誠也選手と小園選手の活躍を期待しています！

　それではまた来週お会いしましょうー！

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我善導(われ・ぜんどう)
愛知県出身。2005年WAHAHA本舗に所属。役者として小劇場から商業演劇、ミュージカル、ドラマ、CM等ジャンルを問わずに活動中。【主な出演作品】舞台：「ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー（トルネコ役）」、「ゾロ・ザ・ミュージカル」、「ロマンシング・サガ」他多数。ドラマ：「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう（レギュラー)」、NHK朝の連続テレビ小説「まれ」、「半分青い」他多数【今後の出演情報】2021年3月、手塚治虫原作舞台「陽だまりの樹」（東京、大阪公演出演予定）

[我善導公式Twitter] @warezendou