春季キャンプ終了と同時に、佐々岡真司監督が今季の開幕投手に大瀬良大地を指名した。ここでは開幕投手にまつわる、さまざまな“うんちく”を紹介する。

100勝100セーブを達成するなど、現役時の大野豊氏は先発、中継ぎ、抑えとフル回転。

　歴代最年長でカープの開幕投手を務めたのは、通算148勝138セーブの活躍で長年チームを支えた大野豊だ。1997年に最優秀防御率（2.85）のタイトルを獲得した伝説の左腕は、その翌年の開幕試合で先発登板。大野自身は固辞したというが、当時の三村敏之監督の強い希望で42歳7カ月での開幕登板が実現した。

　1998年4月3日、広島市民球場で行われた中日戦で始動した大野は、プロ22年目でありながら13試合に登板した。しかし、左腕の血行障害の影響もあり同年限りで現役を引退。42歳7カ月での登板は、今も破られることのない日本野球機構（NPB）の記録となっている。

　そして意外と知られていないのが、NPBにおける開幕投手最年少記録だ。最年長がカープなら、実は最年少の記録を保持しているのもカープ。1952年3月21日、松竹ロビンスとの開幕戦で登板した大田垣喜夫の年齢は、実に18歳と5カ月だった。

　1957年、大田垣は備前家の婿養子となったことで改姓。1959年、1958年にも開幕投手を務めた備前は、引退後は選手発掘に尽力し野村謙二郎、前田智徳、佐々岡真司、金本知憲、黒田博樹などのレジェンドたちの獲得にチーフスカウトとして関わった。