3月17日に行われた清水エスパルス戦で、値千金のゴールを奪った荒木隼人。プロ1年目から3バックの一角(リベロ)に定着し、日本代表にも選出されるなど即戦力の期待に違わぬ活躍を見せている。2年目の昨季も33試合に出場し、出場時間はチーム1位。サンフレッチェの“堅守”を支えるセンターバックの、プロ1年目の声をお届けする。
(『広島アスリートマガジン』2019年9月号)
◆意味あるものになった広島ユースでの屈辱
─プロ1年目ながら、すでにチームに欠かせない存在になっていますね。
「約半年、自分が思い描いていたものよりは少し良い状態だと思います。武器である守備、ヘディングの強さが通用するなという実感を得ています」
─入団した年にACLの出場権があったのも大きかったと思います。
「どこでチャンスを与えられるか分からなかったですけど、確かにリーグ戦以外にも公式戦があったのは大きかったです。実際、2月から試合に出させてもらって、そこで海外のFWと対戦したり良い経験が積めましたから」
─プロにはすぐ溶け込めましたか?
「昨年(2018年)の8月、夏休み期間にも練習に参加させてもらいましたし、ユースのときもサンフレッチェでした。そのときに3バックのことも聞いていたので、戦術面も含めすぐに馴染めました」
─G大阪門真ジュニアユースから、どういった経緯で広島ユースに?
「G大阪ユースに上がれなかったときに声をかけていただき、そこですぐに広島に行くことを決めました。練習に参加させてもらったときもレベルが高いなと感じていたので、入ることに迷いはなかったです」
─地元を離れることに抵抗はなかったですか?
「まったくなかったです。すごくサッカーに集中できる環境でしたし、町の人の受け入れもすごく良くて。本当に暖かく接していただいたので、それがすごくありがたかったです。学校も含めて溶け込みやすい環境をつくってくださったので、すんなり入れました」
─広島ユースは実績もそうですし、レベルの高さには定評があります。
「入った直後はまったく通用しないなと思いました。上級生には(野津田)岳人君や(川辺)駿君、(宮原)和也君らがいましたし、毎日本当にやられっぱなしでしたね(苦笑)」