本日、いよいよプロ野球が開幕する。カープは大瀬良大地を先発に立て、昨年3位でフィニッシュした中日と対戦。大瀬良から見れば相性の良い相手だけに、開幕白星が大いに期待されている。ここではカープOBの大野豊氏が他球団の戦力と、カープの現在地を独自目線で分析する。

フランスアの右膝手術により抑えに抜擢された栗林良吏。

◆今年も巨人が頭一つ抜けている印象

 プロ野球開幕ということで、他球団の仕上がり具合も見ていきたいと思います。まずは昨年の優勝チームである巨人ですが、今年も頭一つ抜けている印象を受けます。何より大きいのは菅野の残留ですよね。リーグ内で飛び抜けて投手陣が良いというわけではありませんが、総合的に見ると今年も優勝争いに加わる可能性が高いチームでしょう。

 カープ以外で言うと、そこに阪神がどこまで食い込めるかでしょうね。一つ間違えると、昨年のように巨人が独走する可能性もありますし、それだけは避けたいところです。そういう意味では、昨年を見る限り、阪神もかなり粘り強い戦いができていますから、開幕投手の藤浪が10勝以上するようなら、チーム全体が勢いに乗る可能性も十分あるでしょう。

 同様に中日も粘り強い野球はしていますが、昨年が少し上手くいきすぎたという印象もあります。昨年実績を残した福、祖父江らがいるリリーフ陣は強力ですが、昨年21セーブを挙げたマルティネスが調整の遅れで開幕に間に合わない可能性が高いです。

 先発も大野、福谷、柳と良い投手がいますが、その後を考えると頭数的に不安な部分があります。打線がどれだけカバーできるかでしょうが、全体的に不安要素を抱えていることは事実でしょうね。

 DeNAはコロナ禍の影響で、外国人選手の入国のメドが立っていません。先発投手陣は左腕も含め、良い投手が揃っていますが、野手では梶谷が抜けて、ソト、オースティンが不在となると得点力がかなり落ちることが予想されます。若手のチャンスは増えるでしょうが、現時点では蓋を開けてみないと分からないシーズンになりそうな気配もあります。

 ヤクルトは内川の加入で注目を集めましたが、投手陣の立て直しがどれだけできるかでしょうね。新たに巨人から田口がトレードで加入しましたが、小川、石川を含めた3人だけでは数的に心もとない。リリーフ陣もそうですが、若手がどれだけ台頭するかにかかってくると思います。