サンフレッチェ広島がリーグ開幕から代表ウィークによる中断期間までを、3勝3分の無敗で乗り切った。ここではクラブOBの吉田安孝氏が、開幕戦からの試合内容をもとにサンフレッチェの現在地を分析する。

得点の匂いを感じさせるプレーを随所で披露しているジュニオール・サントス。

 コロナ禍が続くなか、無事にJ1リーグが開幕しました。G大阪など大変な状況のチームもありますが、サンフレッチェはホームで仙台と対戦。感染防止対策など、さまざまな方の尽力のおかげでエディオンスタジアムには8820人ものサンフレッチェファミリーが足を運んでくださいました。

 多くの方が見守る中での開幕戦は、サンフレッチェ側から見れば悔しい結果(△1-1)となりました。試合後に城福監督もコメントされていましたが、要因は追加点を奪えなかったこと。これに尽きると思います。

 早々と選手が退場となったことで、そこから仙台はベッタリ後ろに引いて守らざるを得なくなりました。そこで追加点が入らないと、どうなるか。“サッカーあるある”と言いますか、終盤に失点して同点に追いつかれるというのは、よくあるパターンではありますよね。

 もちろん相手GKが素晴らしかったこともありますが、自陣に引いて守ってくる相手からも得点が奪えるようにならないと今後も厳しい戦いが続くことになります。今年は降格が4チームということもあり、リスクを犯さず勝ち点1を狙ってくるチームも増えると思われます。近年は決定力が課題になっていますが、とくに今年はそこが重要になってくるでしょうね。