◆4バックについて現時点で全てを判断するのは早計

 その意味では幸先よくサントスがゴールを決めたのはチームにとっても大きいです。まだチームメートと完全に意思疎通は図れていないでしょうが、シーズンを通して期待できるだけの内容を開幕戦から残してくれました。アタッキングサードで前を向いてボールを受けたら、相手が2人、3人いても少々では止まらない強さも見せてくれました。

 ただ、あえて課題を挙げるとすれば、一人で突破するばかりだとチーム全体のリズムは悪くなってしまいます。中には周りの選手を使えばというシーンもありましたので、その辺りの擦り合わせは今後必要になってくるでしょうね。

 もちろん個の力で打開できるところが彼の長所なのですが、10回中10回、個で打開するよりも、周りの選手を使った方がより強引さが活きてきます。実際、札幌戦(○2-1)ではサントスの絶妙なパスから決定機が生まれましたし、彼の中で選択肢が増えればもっと得点力も上がってくるでしょう。ケガの程度もそれほど悪くないようですし、彼が完全な状態でピッチに戻ってくれば、チームが今以上の成績を残すことも十分に可能でしょうね。

 あと今季の最大の特徴でもある4バックですが、東、野上らサイドバックの選手が積極的に攻め上がって攻撃に分厚さを持たせています。横浜FM戦(△3-3)で3失点してしまいましたが、前掛かりになる以上は失点もある程度は覚悟の上でしょう。

 逆にこれで点を取れなかったら問題でしたが、セットプレーとはいえ実際に点も取れたわけですし、そこは評価すべきところだと思います。大分戦(○3-1)はゴール全てが流れの中からのゴールでしたし、実戦を積み重ねていけば攻守ともにもっと良くなることは間違いありません。

 キャンプ序盤から実戦形式で戦術を刷り込んだとはいえ、まだ日も浅いですし4バックについては現時点で全てを判断するのは早計だと思います。失点以外の部分では寄せを徹底していましたし、最後の部分でカギをかけることはできていたので、そこは継続してほしいところですね。