3月26日に開幕を迎えたプロ野球。カープは中日との開幕3連戦を1勝1敗1分で終えた。

 歓声に包まれた一軍の舞台で活躍する選手がいる一方で、その舞台を目指し鍛錬を積む選手もいる。今回は、一軍のブルペン定着に向けて勝負のシーズンとなる4年目の藤井黎來を取り上げる。

一軍のブルペン定着を目指す藤井黎來投手。

◆救援マウンドを任される存在に

 育成選手として迎えた3年目の昨季は、大きく飛躍した一年となった。9月下旬に念願の支配下登録を勝ち取ると、10月8日の阪神戦(マツダスタジアム)で一軍初登板。藤井黎來自身も緊張したという一軍マウンドで1回を無失点に抑え、プロ野球選手のスタートを切った。

 藤井の武器は140キロ中盤の力強いストレートと落差のあるフォーク。勝負所で三振を狙える決め球・フォークを持っているだけにリリーフとしての活躍が期待されている。

「今の自分の能力だと、リリーフがパフォーマンスを発揮できるポジションなのかなと思います。リリーフは気持ちのコントロールも大事な要素となるだけに、そのあたりも意識して取り組んでいます」

 理想の投手像は、かつてカープの守護神として活躍した永川勝浩一軍投手コーチ。藤井と同じフォークの使い手として名を馳せた投手だ。

「いつかは永川コーチのような守護神になりたいですし、最多セーブのタイトルを獲るのが目標です。そのために、まずは今年、昨年の一軍での登板数(3登板)は超えて、最低でも2ケタは投げたいです」

 春季キャンプは二軍からのスタートとなったが、3月13日と14日の教育リーグに登板し、1回を無失点に抑えるなど開幕に向けて調子を上げてきた。リリーフ陣の整備は一軍の大きな課題となっているだけに藤井にも十分にチャンスはある。

「一軍の勝ちパターンの継投に入り、一年を通して一軍で必要とされる投手になりたいです。そのためにまずは任された場所で結果を出して、チームの勝利に貢献するピッチングを続けていきたいと思います」

 背番号が軽くなり初めて迎えるシーズン。昨年の経験を糧に、一軍ブルペンに入る日を虎視眈々と狙っていく。