スポーツジャーナリストの二宮清純が、ホットなスポーツの話題や政治、プロ野球レジェンドの歴史などを絡め、独特の切り口で今のカープを伝えていく「二宮清純の追球カープ」。広島アスリートマガジンアプリ内にて公開していたコラムをWEBサイト上でも公開スタート!

誰に聞いても「真面目な性格」だという。だが、真面目さは、必ずしもプロスポーツでの成功を約束するものではない。それは日本人選手、外国人選手を問わない。

 カープの新外国人選手ケビン・クロンのバットから快音が聞かれなくなって久しい。3月10日阪神戦、2打数無安打。13日北海道日本ハム戦、3打数無安打。14日北海道日本ハム戦、4打数無安打。16日埼玉西武戦、3打数無安打。17日東京ヤクルト戦、2打数無安打。オープン戦の成績は3月17日現在、26打数2安打、打率0割9分1厘、2本塁打、6打点、三振10。当初の見立て通り、「一発はあるが確実性に欠ける」。今のままではスタメン確保は難しいのではないか。

 いくつかメジャーリーグのスカウティングレポートに目を通したが、共通して指摘されていたのは「変化球への対応力に難あり」だ。「外角低めへの逃げるボールのジャッジが不正確」という記述もあった。要するにボール球に手を出している、ということだ。

 在京球団のスコアラーに話を聞いた。「今の段階ではメジャーリーグで通用しなかった典型的な外国人という評価です。インハイで体を起こし、アウトローにスライダー系のボールを投げておけば、まず失敗はしないでしょう。じっくりボールを待たれるとパワーがあるので怖いですが、マイナーリーグ出身の選手は早く結果を欲しがる。ただし、高めのボールはリーチがあるので、甘く入ると外角でも持っていかれる恐れがありますね」

 いくつか動画も見たが、いい時のクロンは無理に引っ張ろうとせず、センター中心に素直に打ち返している。ボールに最後まで目がついていっているのだ。当たれば飛ぶのだから、コンパクトなスイングを心がけ、下馬評を覆してもらいたい。

(広島アスリートアプリにて2021年3月22日掲載)

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二宮清純(にのみや せいじゅん)
1960年、愛媛県生まれ。明治大学大学院博士前期課程修了。株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役。広島大学特別招聘教授。ちゅうごく5県プロスポーツネットワーク 統括マネージャー。フリーのスポーツジャーナリストとしてオリンピック・パラリンピック、サッカーW杯、ラグビーW杯、メジャーリーグなど国内外で幅広い取材活動を展開。『広島カープ 最強のベストナイン』(光文社新書)などプロ野球に関する著書多数。ウェブマガジン「SPORTS COMMUNICATIONS」も主宰する。