プロ野球観戦で欠かすことができないのが、年々進化を続けるスタジアムグルメだ。そんななかカープファンから絶大な人気を誇る定番メニューが『カープうどん』。広島県民のソウルフードとも言える“逸品”を、さまざまな角度から紹介します!
(参考文献:『広島アスリートマガジン』2004年5月号)

旧広島市民球場の『カープうどん』売り場。この薄暗い感じが妙に懐かしい。

<誕生>
 今やすっかり球場の名物となったカープうどん。その歴史は古く、なんと旧広島市民球場が設立された1957年(昭和32年)当初から販売されていた。今年で誕生64年目を迎える超ロングヒット商品だ。

<ダシ>
 あっさりした口当たりで、大人から子どもまで食べやすい味になっている。最後の一滴まで飲み干すファンも多い。ダシはカツオベースではないかと推測されるが、真相は「企業秘密」。ダシの味付けに関しては、カープ初優勝後の昭和53年に一度、微妙な配合の変更があった。

<麺>
 讃岐うどんは食べごたえのあるコシが人気だが、カープうどんはわりと柔らかめの麺が好評だ。球場で試合を見ながらツルツルっと頂くには、この方が適しているのかもしれない。

<種類>
 現在、カープうどんは『全部のせ』、『天ぷら』、『肉』、『きつね』うどんの4種類が販売されている。初代カープうどんの具は天ぷら。肉うどんやきつねうどんが登場したのは、昭和50年代に入ってからだ。