野球を愛する女性の大舞台、女子硬式野球大会『第1回栃木さくらカップ2021』が、4月2日〜6日の日程で開催された。大会最終日には高校生の部の準決勝と決勝が行われ、クラーク記念国際高が作新学院高を破り見事初代女王に輝いた。

高校生の部を制したクラーク記念国際高。決勝戦では持ち味の堅い守備で作新学院高を零封した。

◆女子野球部のこれまでとこれから

 2009年にプロ野球リーグが創設された女子野球が、男子に負けず劣らずのスピードで勢いを増している。当初は全国でわずか5校しかなかった女子硬式野球部も、約10年の時を経て、現在では北は北海道から南は沖縄まで実に40校以上に拡大。野球が好きな女性たちの活躍の場は確実に増えており、高校卒業後の選択肢も大学野球や女子プロ野球への道など大きく広がりつつある。

 競技人口の増加や環境の改善に伴い、女子野球のレベルも年々上昇を見せている。事実、女子W杯で過去8回中6回も優勝を飾るなど、女子野球界の中で日本は強豪国として認知されるまでになった。

 しかし、全国的に広がりつつあるとはいえ、指導者不足や普及面では、まだまだ障壁が立ちはだかっているのも事実である。また今年3月には退団選手の増加が原因で、今季の日本女子プロ野球リーグ(JWBL)の公式戦開催中止が報じられた。心置きなく野球ができる環境の整備や、ずっと野球を続けていきたいと思わせる魅力の発信が緊急の課題となっている。

 そんななか選手たちにプレー機会を提供しようと、男女硬式野球部やBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスを運営しているエイジェックが中心となり、昨年8月に『栃木さくらカップ』を初開催。前回は交流戦との位置づけだったこともあり、今大会は改めて『第1回大会』として開催されることになった。