4月14日にJ1リーグ第19節が行われ、サンフレッチェ広島がアウェーで名古屋グランパスと対戦。堅守の名古屋ゴールを割ることができず、今季初の2連敗となった。

 今季の名古屋は持ち味の“堅守”が冴え渡り、連続無失点試合、連続無失点時間の記録を軒並み更新している。好調の要因の一つとなっているのが、2020年にサンフレッチェから完全移籍した稲垣祥の存在だろう。ここでは昨日に続き攻守両面で輝きを見せる稲垣の、サンフレッチェ時代のインタビューをお届けする。
(『広島アスリートマガジン』2019年12月号)

サンフレッチェ時代も無尽蔵のスタミナで、攻守両面で活躍した稲垣祥選手。

◆光る運動量と無類の球際の強さ

―攻撃、守備の両面で、改めて稲垣選手の重要度が増してきますね。

 「もちろん、ボランチとはそういうポジションなので。攻めも守りも、という部分は今季に限らず常に意識してやっているところです。運動量のことをよく言われたりしますが、今やっていることはボランチとして最低限の仕事だと思っています」

―話せる範囲で構いませんが、具体的に城福監督から求められているものとは何でしょうか?

 「攻撃も守備も求められることが多いです。攻撃だと常にパスコースをつくってチームがスムーズにポゼッションとか攻撃に移れるように、良いポジショニングをとって、いろいろなところに顔を出し続けてほしいと。守備でももちろん自分のところでボールを取らないといけない場面もあるし、逆に前の選手を声で動かすというのもすごく要求されている部分です。チームを勝たせないと意味がないポジションなので、攻守のどちらかに比重を置くというのではなく、チームが勝つための動きを心がけています。そのなかで青さん(青山敏弘)の復帰は大きいです。青さんも声でプレーできるタイプなので。ボールを持っていなくても声で動かしてくれたり、『今こういう時間帯だから、こう動かしていこう』という絵を持っている方なので、そこらへんは頼りにさせてもらっています」