中2日、中3日を挟む怒とうの17連戦の真っただ中にいるサンフレッチェ広島が、アウェーで川崎フロンターレと対戦。前半戦のポイントである名古屋グランパス、川崎との連戦を、1分1敗の及第点ともいえる結果で乗り切った。

写真は第3節の札幌戦。この試合でも前半2分、森島司選手のコーナーキックから幸先の良い先制点が生まれた。

 リーグ屈指の守備力を誇る名古屋に0対1で惜敗したものの、王者・川崎相手にアウェーで勝ち点1を取れたことは引き分け以上の価値がある。しかも、サンフレッチェは佐々木翔、川辺駿を欠いた状態での王者との対戦。2連敗中だったこともあり、ここで負の流れを止めることができたのは今後を見据える上でも好材料だ。

 試合は前半から、リーグ随一の得点力を誇る川崎に押し込まれた。試合前の時点で今季の川崎の得点は、リーグ内で断トツの29得点。攻守の切り替えの早さ、ゴール前での精度の高さはこの日も健在だった。何度もシュートチャンスをつくられ、前半38分には家長昭博のゴールで均衡を破られてしまった。前半戦を終えた時点では、サンフレッチェの圧倒的な不利は否めない状況だった。

 ところが後半に入り左サイドの森島司を起点にペースをつかみ始めると、サンフレッチェが相手陣内に押し込む場面も増加。55分の三笘薫のシュートで万事休すかと思われたが、VARによるオフサイド判定で窮地を脱することに成功した。

 流れを引き寄せたサンフレッチェは、大迫敬介のロングフィードからジュニオール・サントスが個の力で敵陣を突破。豪快なシュートはバーに嫌われたが、素早く詰めた森島が値千金の同点ゴールを決めてみせた。

「得点とアシストは強く意識しますし、やらないといけないものなので常に狙っています。今後得点シーンがあったときも『やっぱり森島が得点に絡んでいたな』と思ってもらえるように、常に得点を意識してやっていきたいと思っています」(『広島アスリートマガジン』2020年4月号)

 東京五輪の日本代表候補でもある森島の得点で、王者相手にアウェーで勝ち点1を獲得。4月24日にはホームのエディオンスタジアム広島で、エミル・サロモンソン擁するアビスパ福岡(3勝4分4敗/11位)を迎え撃つ。

■試合結果
2021明治安田生命J1リーグ第10節/4月18日/等々力陸上競技場
△(4勝5分2敗)サンフレッチェ広島 1-1 川崎フロンターレ(10勝2分)△

【スタメン】※フォーメーション/4-4-2
広島/GK・大迫敬介、DF・東俊希、今津佑太、荒木隼人、野上結貴、MF・森島司、青山敏弘、ハイネル、柏好文、FW・ジュニオール・サントス、浅野雄也